国交省、5月の住宅着工戸数6・4%増
2011年07月01日
―マンション好調も持家が1年半ぶり減少
国土交通省が6月30日に発表した「建築着工統計調査報告」によると、5月の新設住宅着工戸数は前年同月比6・4%増の6万3726戸となった。2カ月連続で増加したものの、年率換算値は81・5万戸と昨年度並みの低水準。首都圏でマンション着工が好調に推移して全体を押し上げたが、持家の着工戸数が約1年半ぶりに減少するなど、弱い動きもある。
分譲住宅は42・9%増の1万8822戸で、15カ月連続の増加。このうち一戸建て住宅は1・8%減の8796戸、マンションは138・1%増の1万6戸と大きく増加。分譲の一戸建ての減少は17カ月ぶり。これまで概ね10%以上の増加を示していたことから、国交省は「単月の振れの可能性がある」としている。
3大都市圏のマンションの着工戸数は、152・3%増の8490戸。首都圏は206・8%増の7393戸と大幅な伸びをみせた。中でも神奈川県は、大規模マンションの着工が集中し、1138・2%増の3108戸と、全体のマンション着工戸数を押し上げた。中部圏は162・9%増の560戸、近畿圏は27・6%減の537戸。近畿圏は前月に続いて、単月としての過去最低を更新した。
持家は2・9%減の2万3528戸で、19カ月ぶりに減少した。国交省は、「震災により消費者マインドが低下し、その影響を持家が1番受けた」と分析している。貸家は5・0%減の2万669戸で、8カ月連続の減少となった。国交省は、5月の住宅着工について「2カ月連続で増加したが、厳しい雇用・所得環境に加え、東日本大震災の影響もあり、一部で弱い動きをみせている」としている。
(提供:日刊不動産経済通信)