「多摩田園都市」の開発ノウハウを輸出
2011年10月31日
―東急、第1弾ベトナム、地元デベと合意
東京急行電鉄は「東急多摩田園都市」の開発ノウハウを海外に輸出する。第1弾としてベトナム南部のホーチミン周辺(ビンズン省)で不動産開発事業に着手する。7月に新設した東急の国際戦略を担当する「国際部」がプロジェクトを立案、推進していく。
ベトナムで工業団地や都市交通インフラなどを整備するデベロッパー、BECAMEX IDC CORP(ベカメックス社)と、ビンズン省をはじめとした同国内の都市開発に関する事業検討を行うことについて合意した。内容は、共同事業の検討推進のための検討委員会の設置、べカメックス社がビンズン省他における開発案件の情報提供および行政の協力が得られるように努めること、東急はパートナーの誘致や開発・運営事業での知見を提供するよう努めること-。ビンズン省はホーチミン北部に隣接、大規模工業団地が形成され、10年のGDP成長率は14・5%。20年にはホーチミンと同格となる中央直轄市に格上げの予定。
国際部(緒方義則統括部長)は、外国人顧客獲得や、新たな事業展開のための戦略を立案・推進する専門部署で、不動産開発やリテール、財務、運輸部門などから横断的に人員を集め約20名で構成。外国人社員も含まれている。「1953年以来行ってきた多摩田園都市の開発で得たノウハウを海外市場に向けてどう活かせるかが最大のテーマ。住宅や商業施設の開発などが主で、運輸などインフラ整備は当社では行なわない」(秘書広報部)。なおベトナムの都市開発構想を巡っては、京阪電気鉄道がハノイの不動産デベロッパー、キンバック都市開発と事業連携契約を締結。電鉄各社による海外進出が相次いでいる。
(提供:日刊不動産経済通信)