中古流通活性化に向け宅建業の機能強化
2011年11月30日
-国交省、中古・リフォームプラン骨子案
国土交通省は29日、中古住宅・リフォームトータルプラン検討会(座長=高木佳子・元日弁連副会長)を開き、骨子案を提示した。国交省は、中古住宅の流通を活性化させる手段として安心と魅力の創出を挙げ、そのために必要な施策を骨子案に盛り込んだ。宅地建物取引業者のコンサルティング機能の向上や既存住宅売買瑕疵保険の普及・充実化などを具体策に掲げた。
骨子案では、消費者が安心して中古住宅を取得できる市場環境を提供するために、宅建業者のコンサルティング機能を向上させることで相談体制を強化することが重要と指摘。また、既存制度の充実化を図ることも重要とし、中古住宅売買とリフォームを一体化した瑕疵保険の提供促進、住宅性能に関する評価・表示の充実、インスペクションの結果を建物評価に反映することが可能な価格査定マニュアルの活用・普及促進などを、具体的な施策として挙げた。
中古住宅の魅力向上の取組みについては、新築並みに性能を向上した住宅を紹介することや、良質なリフォームのプラン・デザインを提供する業者の参入促進、高級・おしゃれなリフォームの普及などを挙げた。また、魅力的なリフォーム提案を行うために宅建業者とリフォーム事業者の連携体制の整備も必要とした。
国交省は、住宅の1次取得層の30歳代の平均年収が大きく減少していることなどから、今後、中古住宅の需要が増加するとみている。しかし、中古住宅の品質や構造に対する不安や、中古住宅は資産価値が高くないなどの見方が消費者の間にあることから、中古住宅を安心して取得できる環境整備が必要としている。
(提供:日刊不動産経済通信)