国交省、住宅着工戸数が2カ月連続減少
2011年12月01日
―首都圏マンションは17%減、近畿は増加
国土交通省が11月30日に発表した「建築着工統計調査報告」によると、10月の新設住宅着工戸数は前年同月比5・8%減の6万7273戸で、2カ月連続の減少となった。年率換算値は77・4万戸で、2カ月連続の70万戸台。分譲は前月の減少から再び増加に転じたが、持家と貸家が減少を続けており、国交省は「前月と状況は変わらない」と分析する。
分譲住宅は3・1%増の1万8446戸。このうち一戸建ては1・2%減の9530戸、マンションは7・5%増の8775戸だった。3大都市圏のマンションの着工戸数は0・2%増の6715戸。首都圏は17・1%減の3933戸、中部圏は23・4%減の569戸、近畿圏は82・4%増の2213戸だった。首都圏は、前月に引き続き東京都の減少(32・4%減の2193戸)が影響して2カ月連続で減少。東京都の減少は、100戸規模の大規模案件がなかったことが原因。近畿圏は2カ月連続で増加し、大阪府が112・0%増の1590戸と増加に大きく寄与した。大阪府のマンション着工の半分以上は大規模案件。
持家は8・1%減の2万5581戸、貸家は8・9%減の2万2904戸だった。いずれも年間着工戸数が77・5万戸に落ち込んだ09年の10月とほぼ同じ水準。住宅金融支援機構による着工も17・6%減の4833戸と、2カ月連続で減少した。
国交省は、住宅着工戸数の減少について、厳しい雇用・所得環境などのほかに「9月から住宅エコポイント制度とフラット35S優遇の再開情報が流れ始めた」ことも要因に挙げ、一部で着工を控える動きがあった可能性も考えられるとしている。
(提供:日刊不動産経済通信)