空港と都心のアクセス改善へ議論を開始
2014年06月06日
―国交省、都市開発と鉄道NWの連携重視
国土交通省の交通政策審議会・陸上交通分科会鉄道部会の下に設置した「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」は5日初会合を開き、今後の都市鉄道整備のあり方について、国際競争力強化およびオリンピックへの対応を優先課題として検討を進めていく方針を示した。
国際競争力強化への対応として、羽田空港および成田空港からの都心へのアクセス改善、中央新幹線(リニア)の開通を見据えた都心部から品川駅などへのアクセスの充実、国家戦略特区の効果の発揮を後押しする観点からの都市鉄道の貢献のあり方―の3点を論点として挙げた。丸の内地下に「新東京駅」を整備する都心直結線や、JR田町駅と品川駅間の新駅開発について議論を進めていく。五輪への対応については観光客の輸送力確保やテロ対策の強化など。
その他の論点として、まちづくりと都市鉄道ネットワーク機能の連携や、その際の受益と負担のあり方の検討を挙げている。例えば東京湾岸部では住宅開発が進み、江東区の人口は20年間で10万人弱増加。豊洲駅や勝どき駅の乗降人員は3倍に増え、交通機能の負荷が重くなっている。
交通政策基本計画の策定に向けた留意事項として、まちづくりと鉄道整備の一体化の必要性を挙げた。鉄道は地域の中核となる公共交通インフラであるとして、まちづくりと連携した駅の設置や総合的な改善、駅空間の高度化など、まちづくりと一体となった鉄道整備が重要であるとした。路線や鉄道駅の展開については都市開発と的確に連携させる必要性を指摘した。鉄道部会は8月までに意見を集約、交通政策審議会は14年度中に中間とりまとめを行い、15年度中に答申をとりまとめる。
(提供:日刊不動産経済通信)