消費増税後でも好調なワンルーム市場
2014年06月10日
―建築費の上昇などに懸念も需要は旺盛
投資用ワンルームマンションの販売が好調に推移している。政権交代が現実味を帯びた12年秋頃から需要の高まりが顕著になったが、好況感は現在も継続。建築費の高騰などが利回り低下につながり、需要が今後減退する懸念はあるが、消費増税後でも好況感を維持している。
エフ・ジェー・ネクストの14年3月期の決算は、マンションの引渡しが前期比28・5%増の1509戸に達したのを受け、売上高は前期比30・0%増の405億円、経常利益は54・5%増の59億200万円と、過去最高の業績をあげた。今期は増収減益を見込んでいるが、これは消費税率5%が適用される3月に引渡しが終えるよう「駆け込み」で手続きを急いだ投資家がいたため。建築費の上昇なども利益を圧迫すると見ているが、駆け込みで生じた「期ずれ」も減益要因となっている。肥田幸春社長は、「2~3月に販売した4月以降の引渡しになる物件も好調だった」と話し、需要の先食いがあったわけではないとの認識を示す。
スカイコートも「消費増税の影響はない」との認識を示している。懸念しているのは建築費と土地価格の上昇で、現在仕込中の物件は「販売価格を上げざるを得ない」としている。一方で、「入居者が入れ替わるときは賃料を上げるタイミング」と話し、賃料動向は反転の兆しがあるようだ。
中古の投資用マンションを紹介する日本財託も、足元の需要は変わりなく好調との認識を示す。「仕入れ競争が激化している」点は懸念材料だが、法人からの問合わせが増えてくるなど、需要も旺盛だ。
(提供:日刊不動産経済通信)