13年末の投資不動産ストックは過去最高
2014年07月01日
―DTZ、投資家の8割が前向きな見通し
ディーティーゼット・デベンハム・タイ・レオン(DTZ)は、「マネーイントュープロパティ2014」をこのほどまとめた。13年末の投資家が保有する商業不動産(投資不動産ストック)は、センチメントの改善と不動産価格の上昇が押し上げ、前年比4%増の12・9兆USドルとなり、75年の調査開始以来の過去最高を記録した。
アジア、欧州、北米のすべての市場で投資不動産ストックの増加がみられた。全体を牽引したのはアジアで、前年比9%増の4・6兆ドル。前年比2%増の欧州(4・4兆ドル)を抜き、最大となった。北米は3%増の3・9兆ドルだった。
世界の投資不動産ストック12・9兆ドルの資金内訳をみると、プライベートエクイティが4・6兆ドル、パブリックエクイティが1・0兆ドル、パブリックデットが1・5兆ドル、プライベートデットが5・8兆ドル。アジアのプライベートデットは現地通貨ベースで前年比16%増加した。中国の投資不動産ストックは前年比33%増と世界動向を牽引。ノンバンクローンへの懸念が生じているが、中国のLTVは54%と、北米(65%)や欧州(56%)の平均を下回っている。
市場センチメントは引き続き改善しており、8割以上の投資家がマクロ経済の見通しについてポジティブな見解を示した。レンダーもポジティブな見方をしており、40%以上のレンダーが「市場は今年大きく改善する」と、昨年の同回答(20%)から大きく伸びた。流動性も13年は4・0%と、12年の3・4%、最低だった09年の1・6%より大きく回復。流動性が最高だったのは欧州で6%。
(提供:日刊不動産経済通信)