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特集 2014年都道府県地価調査・3大都市圏の住宅地地価、6年ぶり上昇

2014年09月19日

―東京都は住宅・商業地とも上昇率トップ
―地方圏改善、住宅地は年後半下げ止まり

 国土交通省が18日発表した14年7月1日時点の都道府県地価調査(調査地点=2万1740地点)によると、全国の地価は住宅地で1・2%下落、商業地で1・1%下落したが、いずれも前年調査と比べて下落率は縮小した。住宅地では、低金利や住宅ローン減税、景況感改善による住宅需要の拡大により都道府県全てで下落率が縮小あるいは上昇率が拡大した。商業地は、マンション素地需要のほかオフィス空室率が改善し投資需要が回復。上昇地点の数は4405地点で全地点数の21・2%(前回調査は14・1%)に拡大した。

 3大都市圏の住宅地の地価は0・5%の上昇(前年調査0・1%下落)で、08年以来6年ぶりの上昇となった。東京圏が+0・6%(△0・1%)、大阪圏が+0・1%(△0・4%)、名古屋圏が+0・9%(+0・7%)となり、東京・大阪圏が上昇に転じた。3大都市圏の商業地は+1・7%(+0・6%)とプラスを継続。東京圏が+1・9%(+0・6%)、大阪圏が+1・5%(+0・4%)、名古屋圏が+1・5%(+0・7%)。

 3大都市圏の地価変動率は、半年前の地価公示(1月1日時点)との共通地点(全国1616地点)で比較すると、東京圏の住宅地が、+0・6%→+0・5%、商業地が+1・2%→+1・2%、大阪圏の住宅地が+0・2%→+0・3%、商業地が+1・4%→+1・1%、名古屋圏が住宅地+1・2%→+0・9%、商業地+1・3%→+0・9%。後半は足踏み状態にみえるが、国交省は前半と後半の数値に「そこまでの大きな違いはない」(地価調査課)との判断。なお地方圏は住宅地が△0・2%→0・0%と後半下げ止まった。

 東京圏では上昇地点の割合が住宅地で53・7%、商業地で76・0%に達した。下落は住宅・商業いずれも三浦半島や西湘、埼玉北部など遠郊の人口減少地域に限られる。3%以上上昇したのは住宅地では東京都心3区および渋谷区、商業地では都心3区およびその周辺区に加え、武蔵野市、立川市、さいたま市大宮区、川崎市高津区・中原区、横浜市西区・中区など郊外へ拡大。浦安市が元町地区を中心に上昇に転じ、被災地域の舞浜周辺でも取引が回復。東京圏で10%以上の上昇率を記録したのは川崎市中原区の新丸子、銀座、南青山、晴海、月島(いずれも商業地)と月島の住宅地。住宅地の上昇率上位10位内には千代田区・番町地区や港区六本木、西麻布など高台の地点も入った。

 大阪圏は、住宅地は大阪市中心部、北摂、阪神間、京都市を中心に上昇、上昇率トップ10は枚方市、神戸市灘区・東灘区で占めた。商業地も住宅地と概ね同様の傾向で、上昇率1位は大阪市北区大淀南1。名古屋圏では名古屋市の住宅地が全体で2・4%上昇、特に高級住宅街を抱える東区や昭和区、緑区で4%超の上昇。商業地は名駅周辺の再開発の進展から中村区で8・1%上昇するなど名古屋市全体で3・1%上昇。三重県四日市が上昇に転じた。

 地方圏では、住宅地で1・8%の下落(2・5%下落)、商業地で2・2%の下落(3・1%下落)となったが、いずれも下落幅は3年連続で縮小。県別では宮城県が住宅地、商業地とも上昇を維持、沖縄県の住宅地と商業地、福島県の住宅地が上昇に転じた。地方主要都市では札幌市、仙台市、福岡市が上昇基調を維持、広島市と金沢市と富山市は商業地でプラスに転じた。商業地の上昇率全国1位は15・8%上昇した金沢駅西口地区で、富山駅付近でも6・5%の上昇地点があり、新幹線開業効果と駅周辺開発の進捗が影響している。

(提供:日刊不動産経済通信)

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