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税制大綱に空き家対策、経済対策も決定

2015年01月06日

―贈与税非課税拡大・税会不一致解消など

 昨年12月30日付で15年度与党税制改正大綱が決定し、住宅取得資金に係る贈与税非課税措置の延長・拡充が認められたほか、買取再販における軽減措置、Jリートの税会不一致を解消する新制度や、空き家対策のための固定資産税の特例の見直しなどが図られた。大綱には軽減税率の適用について「17年度の導入を目指す」との一文が盛り込まれた。

 12月30日の与党会見で野田毅・自民税調会長は税制改正の最大のテーマを「デフレからの脱却と景気回復の着実な軌道に乗せる」としたうえで、贈与税非課税枠の拡大について「教育資金等だけでなく結婚や子育ての資金まで枠を拡げた。住宅は経済への大きな影響力から3000万円までとかなり思い切って拡大した」と景気優先の姿勢を示した。政府が12月27日付で閣議決定した緊急経済対策には住宅エコポイント制度とフラット35S等の金利引下げが盛り込まれた。

 住宅ローン減税は17年末の適用期限を1年半伸ばし19年6月末までとする。すまい給付金も19年6月末の入居分まで適用する。事業者が中古住宅を取得後2年以内に省エネなど一定の質の向上を図るリフォームを実施して個人へ再販した場合、再販業者に課される不動産取得税を軽減する。住宅の築年数に応じて控除額が変動する仕組みを導入、築年が07年4月1日以降の場合は控除額1200万円、89年4月1日以降の場合は同1000万円など、築年を経るほど少なくなり、75年12月31日以前の場合は適用されなくなる。

 贈与税の非課税措置について適用期限を19年6月30日まで延長するとともに、非課税枠を現行の最大1000万円から今年の契約分から質の高い住宅については1500万円へ拡充する。16年1~9月の契約分は同1200万円となるが、消費税率10%が適用となる16年10月~17年9月の契約分は同3000万円へ拡大、税率変更前の駆け込みとその後の反動減を抑える。「質の高い住宅」は現行では省エネあるいは耐震性の高い住宅だが、拡充後はこれらの要件に加え、バリアフリー性の高い住宅でも可とする。

 空家対策特別措置法は指導・勧告等行政の手続きを定める第14条以外を3月下旬に施行、5月下旬に全面施行となる。今回決まった空家対策促進税制は、市町村長が特定空家の所有者等に対し勧告した場合について、固定資産税の住宅用地特例の適用から除外するもの。固定資産税評価額が変更となるのは16年1月1日付。評価額が変更されてから所有者等が修繕を行った場合の住宅用地特例の復活など実務上の取扱いについて今後総務省と国交省で調整を図る。

 事業資産の買換え特例措置については2年3カ月延長し17年3月末までとする。土地に係る固定資産税の負担調整措置については18年末まで延長、流通税の特例措置の延長も図る。Jリート等が不動産を取得する際の流通税の特例措置を2年延長することに加え、物流施設およびその敷地についても特例の対象に含める。Jリートの税会不一致について、税務上の損金算入が可能な範囲を拡大、「一時差異等調整引当額」を設けることにより解消する。

 軽減税率については、対象品目を含めた制度設計について「今月下旬に与党税制協議会を開催して小委員会を設置する。遅くとも秋口には制度案をとりまとめたい」(野田会長)とした。

 緊急経済対策(地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策)については、補正予算の総額が3・5兆円であることと対象施策のみが示されており、個別の予算の数値は決まっていない。補正予算の閣議決定は9日で、その時点で具体的な要件等が判明する。

(提供:日刊不動産経済通信)

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