国交省・重説IT化検討会が最終まとめ
2015年02月03日
―6月実験、双方向性確保はテレビ会議で
国土交通省は、法人間取引および賃貸仲介の重説ネット化に向けた社会実験を6月から開始する。「ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」(座長=中川雅之・日大教授)が示した最終とりまとめを内閣官房IT総合戦略室へ提出。昨年末に示した案と内容は大筋で変わらず、電話やメールといったテレビ会議等以外の情報ツールの利用のあり方に関する内容についてやや詳しく盛り込んでいる。
社会実験は動画と音声を同時かつ双方向で行える、スカイプなどのテレビ電話・テレビ会議システムを通じて実施する。電話・メールの活用は、主任者証の提示については正確性が担保されないため不適当とし、契約者の本人確認については郵送を併用すれば確認できるとした。主任者が重説で必要事項を説明することはどのツールも問題なく、図面資料については郵送などを併用すれば視認が可能とした。ただし主任者と重説を受ける側とのやりとりの双方向性の確保については、電話やメールでは特定箇所を指し示すことや誤認や齟齬を互いに確認することが困難であるとし、「少なくともテレビ会議などであれば重説で必要な要素を満たすことが可能」との記載に落ち着いた。
社会実験では実物を確認せず取引する事例がどの程度増加するか、重説が実施される曜日や時間帯の変化、利用する機器や環境による消費者の理解の程度、関係者4人以上の共同媒介の場合の未完成物件の売買の場合などの関係者間の理解の確保、トラブルの抑制や解決などを検証対象としている。半年に1回程度開かれる「検証検討会」が検証を行い、特に問題がなければ賃貸・法人間について本格運用へ移行。個人間売買は検証結果を踏まえ、社会実験または本格運用を行うことを検討するとした。
(提供:日刊不動産経済通信)