建築物省エネ法が閣議決定、適合義務化
2015年03月25日
―中規模以上も計画届出を、建売にも規制
政府は24日、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案」を閣議決定した。今通常国会に提出、法案成立後2年以内に施行する。新築の大規模非住宅建築物の省エネ基準の適合義務化および適合性判定義務を課すほか、中規模以上の建築物についても新築時などに計画届出を義務付ける。建売住宅の供給事業者に対する省エネ基準不適合に関する勧告・公表制度を設ける。
延床面積2000m²以上のオフィスビルや商業施設など「特定建築物」について、建築確認申請時に建築物の省エネ性能に関する「建築物エネルギー消費性能確保計画」の提出を求める。計画には建築物の外皮性能や設備の効率性などを記載。計画について「登録建築物エネルギー消費性能評価機関」などによる適合性判定が必要で基準に適合しない場合は建築確認を出さない。300m²以上の建築物の新築・改築などでも「確保計画」の届出義務を課す。省エネ基準に適合しないときは行政が指示等を行えるようにする。
省エネ性能に優れた建築物については、インセンティブとして容積率特例の適用とエネルギー消費性能の広告表示などを行えるようにする。インセンティブを得たい場合は、「建築物エネルギー消費性能向上計画」を別途作成し、所管行政庁の認定を受ける必要がある。誘導措置については法案成立後1年以内に施行する。建売戸建住宅に関する省エネ性能基準「住宅トップランナー基準」を定め、省エネ性能の向上を図る。規制措置として、供給する住宅がトップランナー基準に適合していない場合は、年間150戸以上を供給する大手住宅事業者に限り、必要に応じて国土交通大臣が勧告・公表・命令を行えるようにする。
(提供:日刊不動産経済通信)