社会資本審、住生活基本計画へ指標再設定
2015年07月29日
―中古住宅流通、現行目標下回るなど受け
国土交通大臣の諮問機関、社会資本整備審議会住宅宅地分科会(会長=浅見泰司・東京大学大学院工学系研究科教授)は28日、会合を開催し、次期住生活基本計画(全国計画)策定に向け、住宅のストックマネジメントに関し検討した。現行計画の20年を目標とした成果指標を見直す方針のほか、大工の不足などリフォーム産業の現状分析や良質なストック形成への見直しの方向性が示された。中古住宅流通の活性化へインスペクションの普及などに努める。
現行の11~20年度までの住生活基本計画では、20年までの各項目における目標が設定されている。滅失住宅の平均築後年数について、08年の約27年を、20年には約40年に伸ばす目標。13年には約32年となっており、目標達成への流れととほぼ一致している。一方で中古住宅の全流通戸数に占めるシェアは08年の14%から25%に伸ばす目標だが、13年の段階で14・7%にとどまっている。またマンションの維持管理では25年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定している管理組合の割合は08年の37%から20年に70%に、新築で30年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定している管理組合の割合を51%から100%とする目標だが、13年段階でそれぞれ46%、65%と目標達成への流れを下回っている。分科会では各項目を精査した上で、新たな指標の設定を行う方針。
今後の方向性については戸建ての価値が築20年でゼロとならないような新建物査定の普及、重要事項説明に盛り込むなどインスペクションの普及、空き家活用やリフォーム・リノベーションによる質の向上などに取り組む。今年度内の閣議決定を目指す。
(提供:日刊不動産経済通信)