東急不、マンションとシニア住宅複合
2016年03月08日
―都選定1号・世田谷中町、販売募集へ
東急不動産は東京・世田谷区に、NTT玉川中町社宅跡地約1万坪で開発を進める分譲マンションとシニア住宅の複合開発「世田谷中町プロジェクト」の販促拠点「世田谷中町サロン」を4月上旬に開設する。分譲マンションの販売とシニア住宅の募集を共同で実施していく。
東京都が14年から始めた「一般住宅を併設したサービス付き高齢者向け住宅整備事業」の第1号選定プロジェクトで初の着工案件となる。敷地北側に地上4階建て・70年の転定期借地権付き分譲マンション「ブランズシティ世田谷中町」(6棟・252戸)を、南側に地上4階建てのサービス付き高齢者向け住宅「グランクレール世田谷中町シニアレジデンス」(176戸)および「同ケアレジデンス」(75戸)を計画する。近居の実現や地域包括ケア体制の整備、認可保育園の新設や交流などを通じ、現代社会が抱える少子高齢化問題や介護離職、待機児童の増加、地域コミュニティの希薄化といった課題に取り組んでいく。サロンでは1階に街全体の模型やシアター、多世代交流の取り組みなどを、2階にマンションのモデルルームを設けた。
反響は、分譲マンションに約1000件、シニア住宅に約300件だが、重複請求もあり合計すると約1500件。分譲マンションでは2割程度が60歳以上のシニア層だった。世田谷区が30%、横浜・川崎が15%と、約5割が東急沿線。「子育てから高齢期まで対応する新しい循環型のまちづくり。社会課題解決にプロジェクトを通じて取り組んでいく」(東急不動産小室明義執行役員)。横浜市緑区・十日市場でも分譲マンション約290戸とシニア住宅約200戸、戸建住宅を併設した複合開発に共同事業で取り組む。シニア事業は、首都圏を中心に年に3~4案件を手掛ける方針。
(提供:日刊不動産経済通信)