インスペクション、有効期間は1年
2016年11月10日
―国交省、売買・賃貸取引の重説で
国土交通省は、改正宅地建物取引業法の施行に向けて、建物状況調査(インスペクション)関連の体制整備へ準備を進める。重要事項説明で用いるインスペクションの有効期間は1年間とする。なお、1年以内にインスペクションが複数ある場合は、基本的に直近の結果を重説の対象とする方向で検討している。
同省は9日、社会資本整備審議会の産業分科会不動産部会を開き、前回のインスペクション実施者や標準媒介契約約款の見直しに続き、重説や、売買契約締結関係について検討した。重説に用いるインスペクションの結果概要は、1年以内に実施した調査を対象とする。なお、1年以内のインスペクションが複数ある場合は、建物の現況と調査時点での状況の乖離が小さくなるよう直近のものを説明対象とする。ただし、複数のインスペクションでそれぞれ調査結果が異なる場合や、1年以上前のものでも重要な調査結果が出ている場合については、さらに検討し、公布後の運用通知の中で適切な対応を示す見通し。結果概要の説明は、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」に基づく検査結果報告書の検査結果概要と同程度のものにする。インスペクションに関する重説は売買取引だけでなく、賃貸取引の場合にも適用する。
また、重説時に、保存の有無を明らかにすべき書類として、検査済証や建築確認済証、確認申請時の図面類、新築時以降に行われた建物状況調査結果報告書。このほか、既存住宅性能評価書や定期調査報告書、新耐震基準の耐震基準適合証明書、固定資産税減額証明書、耐震診断結果報告書、住宅耐震改修証明書―を挙げた。次回の部会会合は12月下旬を予定。来年3月の関係省令公布を目指す。
(提供:日刊不動産経済通信)