インスペクション、宅建業者に責任なし
2017年06月13日
―国交省、改正業法解説「Q&A」公表
国土交通省は、来年4月に完全施行する改正宅地建物取引業法における建物状況調査(インスペクション)や重要事項説明などの制度解説書「Q&A」をまとめた。それによると、調査実施者をあっせんした際の宅地建物取引業者の責任に関し、「原則、調査結果に責任はない」などとした。Q&Aは同省ホームページで公表する。
事前ヒアリングで質問が多かった調査実施者をあっせんした際の宅建業者の責任を巡り、原則的に、調査結果に関し責任はないとした。また、37条書面に記載する「当事者双方が確認した事項」に該当する場合について、「建物状況調査など専門的な第三者による調査結果を重説で説明したうえで、契約に至った場合」とした。Q&Aは、①建物状況調査の基礎知識②調査の対象部位と方法③調査実施者のあっせん④調査結果概要に関する重説⑤書類の保存に関する重説⑥37条書面に記載する当事者双方が確認した事項の記載⑦売買申込みに関する媒介依頼者への報告⑧調査と既存住宅売買瑕疵保険―で構成。実務対応が求められる宅建業者に加え、物件購入を考える一般消費者などを対象に、業法改正に伴う新たな制度全般に関して解説した。
これを受け、不動産流通系の各団体は、会員への周知に対応する。全国宅地建物取引業協会連合会は、現在製作中の業法改正のポイント解説DVDに、Q&Aの内容を反映させ、秋以降に各宅建協会が会員向けに行う研修で活用する。一方、全日本不動産協会は、提携するジャパンホームシールドと全国で行うインスペクションの講習に、Q&Aの内容を盛り込む。不動産流通経営協会は、現場での活用を念頭にQ&Aの補足版を作成する。
(提供:日刊不動産経済通信)