高齢者・子育て施設への転用を促進
2017年08月21日
―国交省、建築規制を住宅並み緩和
国土交通省は、空き家や既存住宅から、社会的に需要の高い高齢者向けグループホームや子育て支援施設への用途変更を促進するため、階段の仕様や採光に関する建築規制を緩和する。建築基準法施行令の告示改正を行い、階段の仕様の規制を住宅並みにすることで、転用の際の障壁を取り除く。
保育所などの子育て支援施設や高齢者向けグループホームなどの階段の仕様の規定を、高さ22cm以下から23cm以下に、奥行きを21cm以上から19cm以上に緩和する。階段の両側への手すり設置と、踏面の表面を粗面にするか、滑りにくい材料で仕上げることが条件。住宅の規定(高さ23cm以下、奥行き21cm以上)に近づけることで、大規模改修をせずに、戸建住宅から、子育て支援施設や高齢者向けグループホームなどへ用途変更できるようにする。早ければ9月中にも建築基準法施行令の告示改正を行う予定。
一方、採光のための窓やそのほかの開口部の面積規定についても今後、緩和を検討。現行制度では、住宅の場合は居室床面積に対し7分の1以上、保育所の場合は床面積に対し5分の1以上設けるよう規定されており、住宅からの転用には大規模改修が必要なケースも多い。また、国家戦略特別区域でも、オフィスから保育所への転用を促すため、採光の見直しを特区の新たな規制改革メニューに加えることが政府の諮問会議で検討されており、同省では併せて検討する。なお、窓のないオフィスは現制度では転用できないが、東京都は、区画された連続する2つ以上の保育所を1つの部屋とみなし、合計した採光面積が基準を上回っていれば転用可能とするよう要望している。
(提供:日刊不動産経済通信)