住宅買換えの売却損益、プラスが増加
2017年10月26日
―FRK調査、新築にこだわる人は減少
不動産流通経営協会は25日、17年度の「不動産流通業に関する消費者動向調査」をまとめた。買い換えによる売却差額(自己所有住宅の売却時価格から購入時価格を差し引いた額)について、プラスの売却差額が出た世帯の割合は前年度比2・3ポイント増加し、31・7%となった。既存住宅の価格上昇を受け、プラスの売却差額発生世帯の増加は3年連続となった。
プラスの売却差額で最も多いのは500万円未満で、14・8%(前年度比1・6ポイント減)。500万~1000万円未満が最も増加し8・7%(2・2ポイント増)だった。マイナスの売却差額をみると、最も多いのは△500万円~0円未満で23・5%(1・1ポイント減)。△1000万円~△500万円が9・8%(6・6ポイント減)で最も減少した。全体的にはプラスの売却差額が増加傾向だが、築年数が古くなるほどマイナスの売却差額△500万円以下の割合が高くなる。
新築住宅購入者のうち、「新築住宅のみ」にこだわって探した人の割合は15年度54・9%、16年度49・6%、17年度47・1%とここ数年連続で減少している。既存住宅購入者の理由も「新築にはこだわらなかったから」が3年連続で増え17年度は37・2%となった。既存住宅が見直されていることについてFRKは「既存住宅の品質が上がっていることや新築の価格上昇が背景にある」と分析する。既存住宅の購入に当たっての建物検査の実施率は戸建て・マンションを合わせて既存住宅全体の40・8%(2・5ポイント増)に増えた。
同調査は、首都圏で16年4月~17年3月の間に購入し住宅の引き渡しを受けた世帯が対象。投資用物件や1億円以上の高額物件は除く。回答数は1067票(新築住宅401票、既存住宅666票)だった。
(提供:日刊不動産経済通信)