首都圏マンション市場は潮目が変わる年
2018年04月10日
―トータル、郊外は在庫の目処付けが勝負
トータルブレインは、18年の首都圏マンション市場の課題を展望したレポートをまとめた。今年の着工戸数は1都3県のすべてで上向くと予想。消費税増税の駆け込み需要に対応するため、郊外での着工が増加する。販売戸数も、郊外で価格低下と駆け込み需要により増加し、4万戸に回復する可能性が高い。ただ18年はマーケットの潮目が変わるため、デベロッパーにとって変化に対するスピーディーで的確な反応が求められる非常に難しい年になると見ている。
郊外では、一次取得者に売れる価格まで約15%調整して販売し、売れ行きが好転、供給ペースが上がり販売戸数も増加すると予想。消費増税の駆け込み需要による追い風を生かすべくあおり営業が行われると見る。一方で、増税後の郊外マーケットは相当厳しい局面を迎えることから、18年の春先から19年の3月末に向けての1年間は、デベにとって郊外エリアの在庫に目処を付けられるかどうかが勝負になるとしている。
都内都心等の好立地市場では、都心居住ニーズが強く購入者の体力も高いことから、プロジェクトリスクは相対的に低く、事業を積極的に取り組む必要があると見る。ただ、高水準の販売価格と商品内容のミスマッチが売れ行き悪化の要因となるため、たとえ売値が上昇しても、デベはユニットプランに拘る姿勢を貫くべきとしている。
レポートでは、デベにとってマンション市場が縮小する中、分譲マンション事業以外で、どう活路を見いだしていくのか、働き方改革に対応するために、いかに労働生産性を向上させるのかが課題とし、市場の潮目を乗り越える逞しさが求められるとしている。
(提供:日刊不動産経済通信)