不動協、消費増税への緩和措置を要望
2018年09月12日
─菰田理事長「都心の高額物件は上昇」
不動産協会は11日理事会を開催し、「来年度税制改正要望」を決定した。来年10月に予定されている消費税率引き上げへの対応として、住宅ローン減税やすまい給付金など、これまでに措置済みの住宅消費税対策の拡充などを求める。
理事会後の記者懇談会で菰田正信理事長(三井不動産社長)は、マンション市場について「価格と購買力がマッチしていて、ストライクゾーンの上限に近づいてきている。商品の価値と価格が少しでもずれると売れ行きが落ちるという傾向が顕著だ。都心部の価格帯が高い物件については、まだ価格が上がり続けている。立地条件や設備の内容、建物の広さなどを含めて新しい需要を作り出しているからだと考えている。もともとそういう需要があったのだが、商品が供給されなかったため顕在化していなかったニーズが顕在化してきた結果、総額の高い商品が今までより戸数を増して売れてきている」との現状認識を示した。その上で「消費税が上がることによるインパクトは大きい。今回の税制改正要望で一番重要なのは、消費増税によるマーケットへのインパクトを緩和するための措置だ。前回の5%から8%に上がったときにいろいろな措置をしてもらい、協会としては評価しているが、その後の建築費の値上がりを含めた物件価格の上昇や購買側である家庭のバランスシートの状況を考えると追加的な措置が必要である」と述べた。
今後の地価動向に関しては、「金利が非常に低いので機関投資家が利回り水準を下げて買っている不動産もあり、今後も金融市場の影響を受ける。大きなクラッシュがなければGDPの動きと同じように推移するのではないか」と話す。
(提供:日刊不動産経済通信)