国交省、ビル・住宅など面的改修へ補助
2018年10月05日
―市街地で道路整備など、住環境の向上も
国土交通省は19年度、既存建築物のストック活用を促進するため、建て替えや改修に対して補助を行う「優良建築物等整備事業」を拡充する。市街地などの住環境を改善し、老朽化したオフィスビルや住宅など複数の既存建築物を改修して利活用する事業への補助を検討する。
梅田や心斎橋のタワマンは新築価格が昨年に比べて2割程度上昇し、平均坪単価は350万円前後から高い物件では360万~370万円となっている。東急不動産が住友商事、住友不動産と梅田で分譲している50階建ての「ブランズタワー梅田North」(総戸数653戸)は平均坪単価が約340万円で、販売価格は6000万~7000万円台を中心としており、「販売は堅調に進んでいる」(石毛氏)。大阪市内のファミリータイプの平均価格は5000万円前後であるが、「中心部の好立地は価格が高くても顧客がついてきている。特にタワマンは入札で用地を高く仕込んでも事業化できる」(同)とみている。
地方都市を中心とする市街地での活用を想定。これまでは基本的に1棟の建て替えなどに対して補助を行っていたが、より面的な街づくりに寄与できるよう、周辺の住環境整備も併せて複数の既存建築物を改修する場合にも補助できるよう制度を拡充する。老朽化したオフィスビルを改修しコワーキングスペースとして活用したり、老朽化した住宅や店舗をリノベーションして、別用途に利活用するなどの事業を想定。その際、新たに道路を整備するなど、周辺の住環境整備と併せて行うようにする。住環境の整備の詳細はこれから調整する。住宅局は「面的な整備にも対応できるよう検討するので、市街地で道路を通せなかったところに、道路を整備することなども可能になる」とする。整備・運営する民間事業者に対し、整備費の3分の2を自治体が補助し、自治体負担分の2分の1を国が負担する。改修後の建築物には耐震性や耐火性などを求める。民間事業者は、地域密着の街づくり会社などを想定している。
「優良建築物等整備事業」ではこれまで、老朽化マンションの建て替えや、小規模敷地を共同化してのマンション整備、低未利用地を活用した医療などの誘導施設の整備、高齢者の交流施設の整備などに対して補助を行ってきた。
(提供:日刊不動産経済通信)