プレイスメイキングによるまちづくりへ
2019年11月18日
─UR、居心地良い都市・公共空間を研究
都市再生機構は、“居心地が良く、使われる公共空間”をつくるための具体的手法の研究に取り組んでいる。18年3月に立ち上げた社内プロジェクトチームがこのほど中間とりまとめを発表した。これまでの日本の都市開発は、公共空間を「つくること」からスタートしていた。中間とりまとめでは、考える順序を転換し、「使うこと」からまちづくりを始める「プレイスメイキング(PM)」を提唱している。
都市と公共空間を取り巻く環境は大きく変化している。人口増や経済的成長を背景に大規模開発が重視された時代から、近年は人口減とモータリゼーションからの転換が進む時代になった。都市と公共空間は、より「ひとの活動」に着目するようになっている。そこでURは、ひとの欲求と活動から公共空間の使い方を考え、一人ひとりの居場所をつくり、他者やまちとの関わりを生み出す手法のPMに注目する。中間とりまとめはPMの実践ポイントを解説。7つのステップと、各段階に対応した実践ポイントがあり、それを繰り返し続けていくことが重要と位置付けた。
PMの7つのステップは、①調査する②まちづくりの担い手を探す③ビジョンをつくる④短期計画を実行する⑤空間をデザインする⑥空間をマネジメントしプログラムを実行する⑦効果を測定する─こと。中間とりまとめでは、各ステップで必要となる合計17個の実践ポイントも示す。PMによる公共空間を増やし、それらをつないで都市全体へ拡大するのが狙い。
ひとの活動に注目した「居心地が良く歩きたくなるまちなか」は、国土交通省も今後の都市開発における重要ポイントと位置付けている。
(提供:日刊不動産経済通信)