新型コロナ感染拡大に関するアンケートから①・8割近くがコロナの影響出ていると回答
2020年04月03日
不動産経済研究所は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済・社会情勢が不動産・住宅関連業界に与える影響などについて、主要各社にアンケート調査を実施した。調査期間は3月19~31日で、66社(1社は社名非開示)から回答を得た(次頁に回答企業一覧)。調査結果の概要を3回に分けて掲載する。
―ネット集客の強化や工期の管理等で対応
新型コロナウイルス感染症の拡大により現時点で事業に影響が「出ている」と回答したのは全体の77・2%と8割近くの企業がすでに影響を確認していることがわかった。「出ていない」は7・5%にとどまり、「今は出ていないが今後出そう」が18・1%となっている。影響が出ている業種で最も多かったのは「ホテル・宿泊関連」で33・3%。次に「分譲マンション」が21・2%で、「商業施設」19・6%、「不動産投資」16・6%、「中古住宅流通」15・1%、「賃貸住宅」と「海外事業」が13・6%、「注文住宅」と「戸建て分譲」が12・1%、「賃貸オフィスビル」10・6%と続いた。このほか、多目的ホールやシニア施設、スポーツクラブなどの回答があった。影響が出ているという回答で最も少なかったのは「物流不動産」。
感染拡大に伴う事業展開上の対応策では、「大規模な販促イベントの中止または延期」「電話やメール、ウェブ商談などによる個別営業の強化」「土日の販売拠点の一次営業休止」「予約制による来客の分散化」「インターネットを活用した集客の強化」などの回答が多い。また、建設資材や住設機器の不足が懸念されていることから、「サプライチェーンの見直し」や「工事部材の確保」「資材・設備等の代替品確保」「施工会社との連携強化」「工期の管理」などへの取り組みがみられる。
今後の投資方針では、「新規投資に関する時期」や「投資対象アセットの種類とタイミング」の見極めが必要という回答や、「キャッシュポジションの見直し」「新規開発物件の仕入れ抑制」などの対応策が挙がっている。このほか、在庫リスクを軽減するために「販売先が未定の開発物件の売却先を早期に確定する」や、ホテルについては「開業時期の延期や一部休業」、商業施設は「営業時間の短縮」「臨時休業の実施」などの回答があった。
今後の不動産価格の見通しについては、36・3%が「下落する」と回答。「横ばい」は16・6%、「大幅に下落する」が1・5%だった。「その他」が28・7%で、「都市部は横ばい、地方は下落」「短期終息なら横ばい、長期化すれば下落」「投資物件は下落、実需物件は横ばい」「アセット毎に異なる」などと回答している。
アンケート回答企業は次の通り(順不同)
▽ファンタステクノロジー▽エフ・ジェー・ネクスト▽GAテクノロジーズ▽イタンジ▽Modern Standard▽NTT都市開発▽アーバネットコーポレーション▽アジリティー・アセット・アドバイザーズ▽アパホテル▽エスリード▽THEグローバル社▽コスモスイニシア▽タカラレーベン▽トーセイ▽ナイス▽ハウスコム▽フージャースホールディングス▽プロロジス▽ボルテックス▽マリモホールディングス▽ミサワホーム▽みずほ不動産販売▽旭化成ホームズ▽伊藤忠都市開発▽近鉄不動産▽荒井商店▽阪急阪神不動産▽三井ホーム▽三井不動産リアルティ▽三井不動産▽三菱UFJ不動産販売▽三菱地所▽三菱地所ハウスネット▽三菱地所リアルエステートサービス▽住友不動産▽住友不動産販売▽住友林業▽小田急不動産▽西武プロパティーズ▽積水ハウス▽双日新都市開発▽相鉄不動産▽相鉄不動産販売▽大成有楽不動産▽大成有楽不動産販売▽大東建託▽大和ハウス工業▽大和地所レジデンス▽長谷工コーポレーション▽東急▽東急リバブル▽東急住宅リース▽東急不動産▽東京建物▽日鉄興和不動産▽日本GLP▽日本土地建物▽福屋ホールディングス▽野村不動産アーバンネット▽野村不動産▽森トラスト▽クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド▽リブラン▽ヒノキヤグループ▽ケイアイスター不動産。
(提供:日刊不動産経済通信)