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新型コロナ感染拡大に関するアンケートから②

2020年04月06日

◎分譲マンション、購入意欲の変化に警戒

 分譲マンション市場は、現時点で販売への影響は少ないとする企業が多いが、景気動向によっては購入マインドの低下を懸念する声も聞かれた。優位な立地の実需中心の物件は底堅いとみるが、今後の経済情勢の不安から、富裕層向けの高額物件に関しては一部で購入意欲が減退する可能性を指摘する回答もあった。足元では、「ファミリー向けについては影響は軽微」「来場者数は微減傾向だが、成約率に大きな変動はみられない」などの回答が目立つ。今後の見通しは、「株価の下落が長期にわたれば、消費マインドが冷え込み、契約数などに影響」といった意見のほか、「住設機器の納入遅延が予想されており、今後の工期や引き渡しに影響を及ぼす」という指摘があった。一方、「企業活動が縮小すれば、優良な事業用地を取得できる可能性も見込める」といった見方や、リモートワークの定着で「エリア選別の価値観に変化が生じる可能性」も想定されるとした回答もあった。

◎賃貸オフィスビル、現時点では影響軽微

 オフィス賃貸市場は他のアセットタイプと比べると、現時点では影響は軽微で、底堅さがあるとみる企業が大勢を占める。ただ、問題の長期化による企業業績の悪化次第では移転拡張ニーズの縮小や賃料の低下もあり得ると身構える企業もいる。足元の状況としては「貸ホール、貸会議室事業で利用のキャンセルが相次いでいる」「外出や面談の自粛で契約の交渉が延期・中止になっている」「新規営業の動きは鈍化傾向」「成約の延期が散見される」といった回答が寄せられた。もちろん「契約期間が比較的長期のため、市場動向による影響は受けにくい」「利便性の高いエリアで機能性に富むオフィス需要は底堅く推移する」と冷静に見る向きも少なくない。ただ、コロナ問題が長期化し景気悪化が深刻となれば、「好調を維持してきた賃貸市況が下落局面入りする懸念がある」といった指摘もある。

◎商業施設、物件収益力の低下に懸念

 訪日外国人の激減や外出自粛の要請に伴いスーパーやドラッグストアを除く商業施設では、既に広く影響が出ているとの声が目立った。今後の見通しとしては、オフィス賃貸市場と同様、コロナ問題が短期で終息すれば回復が見込まれるが、長期化すれば賃料への影響は避けられないと予測している。具体的な回答としては「特に飲食店等の業績悪化によりテナント退去および賃料減額要請が見込まれる」「賃料減額要請や退店などによる物件収益力の低下が懸念される」「感染症の収束後は需要は回復すると考えられるが、インバウンドの影響が大きい施設は回復までにさらなる時間が必要になる」などがあった。

◎ホテル・宿泊、長期目線で新規検討も

 「不動産業界において最短で最大の影響が既に発生している」「オリンピック開催の影響も受け、収束・回復時期が見通せない」といった厳しい見方が特に多かったのがホテル・宿泊関連。一方、日本の観光資源の魅力そのものが損なわれたわけではなく、収束後を見据え体力のあるデベロッパーからは「訪日外国人の中長期的な増加トレンドが続くと想定されることから新規案件も継続して検討する」と長期目線で開発・投資機会を探る姿勢もみられる。ホテル事業を手掛ける企業は「月間稼働率が50%になるなど、創業以来一度もないこと」「オリンピック延期による20年度の大幅減収」といった状況。厳しい時期が続きそうだが、「収束宣言が出て正常な状態に戻れば稼働率も戻ると確信している」と反転攻勢のタイミングに備える。

◎不動産投資、「買い場」とみる動きも

 不動産投資市場は投資家心理の冷え込みを懸念し、マーケットの停滞・縮小を警戒する声が多かったが、物件情報が市場に増加し、「買い場」と動くプレーヤーも散見されるといった回答があった。具体的な回答としては「景気後退により個人や企業の所有不動産売却が加速する」「キャッシュポジションを上げてきた企業とそうでない企業の落差が際立つ」「イールドギャップは拡大する可能性があり、オルタナティブ投資ニーズは高まる可能性がある」「低金利の状況は短期的には変わらないため、収益資産としての不動産投資の魅力は維持される」があった。

(提供:日刊不動産経済通信)

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