コロナ踏まえた新たなまちづくり検討
2020年06月16日
―国交省、都市政策のあり方で変化探る
国土交通省は、新型コロナウイルス感染症による危機を踏まえ、今後の都市政策はどうあるべきか検討を始める。6~8月に都市再生や都市交通、公園緑地、都市防災のほか、医療、働き方など、様々な分野の有識者への個別ヒアリングを進めていく。
感染防止策として、密閉・密集・密接のいわゆる「3密」を回避することが重視されるようになり、満員電車や都心のオフィスなど「都市の過密」という課題が改めて顕在化した。また、テレワークの導入が進んだことで在宅の人が増え、自宅近くの公園の価値が再評価されている。人々のライフスタイルや価値観が大きく変わったことにより、都市政策のあり方にどのような変化が起こるのかを探る必要性が出てきた。
国交省は、幅広い分野の専門家20~30名からヒアリングを行う。不動産業界からも不動産関連団体または民間の不動産会社の声を聞く方針。国交省に有識者を集めて会議形式で行うのではなく、個別のヒアリングとし、オンライン形式でのヒアリングも検討する。ヒアリングは非公開で行うが、今夏に「新型コロナ危機を踏まえた新しいまちづくりに係る論点整理(仮称)」をとりまとめて公表する。
新型コロナを契機に変化した社会で、都心と郊外、都市交通、オープンスペースなどのあり方はどのように変化するか、都市のあり方が変わっていく中で都市政策はどうあるべきかを探る。国交省は昨年、今後の都市再生では、良質なオープンスペースを官民で創造することを中心として「居心地が良く歩きたくなるまちなか」を目指すという大方針を掲げた。これに感染症対策をどう反映させていくか、広く意見を求める。
(提供:日刊不動産経済通信)