国交省、住宅ローン減税の適用例を図解
2020年12月25日
―22年入居対象は延長された13年特例のみ
国土交通省は、21年度税制改正で住宅ローン減税の延長が決定したことを受けて、入居と契約のタイミングと、受けられる控除期間を分かりやすく示した図表を作成した。50㎡以上の注文住宅と分譲住宅の場合をそれぞれ示している。
住宅ローン減税は、消費税の増税対策で登場した控除期間13年の特例が延長され、契約期限(注文住宅20年10月~21年9月末、分譲住宅等20年12月~21年11月末)と入居期限(21年1月~22年12月末)の両方を満たす人が適用できるようになった。さらに、13年特例の延長分は、所得1000万円以下の人を対象に、床面積要件が「40㎡以上~50㎡未満」まで緩和された。
現時点で「22年中の入居」が住宅ローン減税の対象になるのは、13年特例延長分の対象者だけとなる。例えば、「注文住宅で20年9月までに契約した人」または「分譲住宅等で20年11月までに契約した人」で、入居が22年中になるという人は、現時点では住宅ローン減税について何も措置がない。同様に、「注文住宅で21年10月以降に契約した人」または「分譲住宅等で21年12月以降に契約した人」で22年中に入居する人も措置なしとなっている。このケースに該当する人が住宅ローン減税を適用できるかは、来年以降の税制改正の動きを待つ必要がある。
また、住宅ローン減税の「控除率1%」は、低金利下で控除額が実際に支払っているローンの利息額を上回る人が多数いることが問題視され、22年度改正で見直されることが決まった。住宅ローン減税の控除率などは、原則入居時点の税制が適用される。今後控除率の見直しが確実となったいま、13年特例が使えるうちに住宅購入を決断する人が増える可能性がある。
(提供:日刊不動産経済通信)