20年の全国マンション市場動向・発売戸数は15・2%減の5万9907戸
2021年02月25日
◎発売戸数は15・2%減の5万9907戸
―本社調べ、コロナ禍で76年以来の低水準
―平均価格は4971万円で最高値を更新
不動産経済研究所は24日、20年の全国マンション市場動向を発表した。昨年1年間の全国における民間分譲マンション供給戸数(首都圏の投資用ワンルームマンション、定期借地権マンション等は含まない)は前年比15・2%減の5万9907戸となった。昨年4月の緊急事態宣言によって首都圏、近畿圏、九州・沖縄など多くのエリアが落ち込んだことによって、4万9955戸だった1976年以来の低水準となった。発売総額は約2兆9780億円にとどまり、市場規模は前年の約3兆3824万円に比べ12・0%、4044億円の減額となった。
圏域別の発売状況をみると、首都圏2万7228戸(前年比12・8%減、全国シェア45・5%)、近畿圏1万5195戸(15・8%減、25・4%)、東海・中京圏5386戸(15・8%増、9・0%)、北海道1148戸(17・4%減、1・9%)、東北地区1178戸(35・9%減、2・0%)、関東地区763戸(42・7%減、1・3%)、北陸・山陰地区554戸(22・3%増、0・9%)、中国地区1624戸(40・4%減、2・7%)、四国地区1034戸(122・4%増、1・7%)、九州・沖縄地区5797戸(32・0%減、9・7%)で、首都圏、近畿圏以外では、北海道、東北、関東、中国、九州・沖縄が減少している。
首都圏の供給内訳は、東京都1万4153戸(13・0%減)、神奈川県5586戸(22・2%減)、埼玉県3367戸(26・5%減)、千葉県4122戸(28・8%増)で、千葉県が唯一増加した一方、それ以外のエリアは軒並み2ケタの減少となっている。近畿圏は大阪府9088戸(29・6%減)、兵庫県3403戸(0・2%減)、京都府1384戸(70・9%増)、奈良県524戸(231・6%増)、滋賀県607戸(12・2%減)、和歌山県189戸(177・9%増)と、大阪府が大きく落ち込んで6年ぶりに1万戸を下回った。地方主要都市は札幌市1148戸(3・9%減)、仙台市624戸(50・7%減)、名古屋市3849戸(11・9%増)、広島市777戸(28・0%減)、福岡市1964戸(42・5%減)で、名古屋市が伸ばしたものの、札幌市、仙台市、広島市、福岡市は減少となった。
21年の発売見込みは全国で約6・9万戸、20年比で約9000戸、15・2%増と回復する見込みである。圏域別では首都圏3・2万戸(20年比17・5%増)、近畿圏1・8万戸(18・5%増)、東海・中京圏0・5万戸(7・2%減)、九州・沖縄地区0・7万戸(20・8%増)など。20年に戸数を伸ばした東海・中京圏は減少となる見込みである。
20年の全国マンションの分譲価格は戸当たり平均価格が前年比3・8%上昇の4971万円、㎡単価が4・4%上昇の75・8万円となった。平均価格は4年連続、単価は8年連続の上昇で、どちらも4年連続で最高値を更新している。圏域別では、首都圏は平均価格が1・7%上昇の6083万円、単価が5・2%上昇の92・5万円で、平均価格は2年連続、単価は8年連続の上昇となった。近畿圏は平均価格が8・1%上昇の4181万円、単価が1・6%上昇の69・1万円で、平均価格は92年の4402万円以来の4000万円台に乗せている。地方主要都市の平均価格は、札幌市3918万円(前年比2・0%下落)、仙台市4929万円(7・7%上昇)、名古屋市4111万円(5・2%上昇)、広島市4507万円(14・0%上昇)、福岡市3979万円(0・3%上昇)で、札幌市以外の都市が上昇している。
(提供:日刊不動産経済通信)