築10年の価格維持率、初の100%超え
2021年05月07日
―東京カンテイ、資産価値の持続が広域化
東京カンテイは6日、竣工から10年が経過した分譲マンションの中古流通時の価格維持率「リセールバリュー」(RV)の調査結果を公表した。20年の首都圏(対象412駅)の平均RVは101・9%で、前年から7・6㌽上昇した。これまでも都心部では100%以上の駅が多かったが、首都圏平均で100%を超えるのは、同社の調査開始以来初となる。
新築分譲時の価格以上で流通したことを示す100%以上の駅は214駅。全体に占める割合は51・9%と半数を超え、18年の21・9%、19年の30・5%を大きく上回った。90%以上100%未満が105駅(シェア25・5%)、80%以上90%未満が67駅(16・3%)、70%以上80%未満が16駅(3・9%)、70%未満が10駅(2・4%)。90%以上のシェアは前年の60・2%から77・4%へと大幅に上昇し、首都圏では高いRVを示す駅が大部分を占めていることが分かった。20年はコロナ禍で新築の供給戸数が大幅に減り、住宅需要が中古に流れ込んだことで、中古マンション価格が大きく上昇。井出武・上席主任研究員は「中古マンションが安定資産になり、築10年では価値が下がらなくなってきた。この傾向が都心部だけでなく、広域化してきている」と分析する。
RVが最も高かった代官山(164・3%)は新築時も立地相応に高額だったが、東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転の開始や、渋谷で進行中の大規模再開発によって代官山エリアの利便性が大きく向上し、資産価値が大幅に上昇した。代官山に続いたのは溜池山王(145・8%)、桜木町(141・2%)、高輪台(140・8%)、水道橋(140・7%)など。
(提供:日刊不動産経済通信)