地価LOOK、住宅地に持ち直しの動き
2021年06月07日
―厳しい商業地、一部は投資家の取引戻る
国土交通省は4日、全国100地区の地価LOOKレポート(21年第1四半期=21年1月1日~4月1日の変動率)を公表した。上昇地区数が28地区(前回15地区)に増えた一方、下落地区数は27地区(38地区)に減少。横ばいは45地区(47地区)だった。住宅地に持ち直しの動きがみられたほか、商業地でも法人投資家らの取引の動きが戻り、上昇に転じた地区が出た。
住宅地全32地区のうち、上昇は18地区(前回9地区)、横ばいが14地区(20地区)、下落はゼロ(3地区)となった。マンションの販売状況が堅調で、デベロッパーの素地取得の動きが活発化して回復した。東京圏では千代田区「番町」、港区「南青山」、世田谷区「二子玉川」、武蔵野市「吉祥寺」が、0~3%の上昇の区分に移行(前回は全て横ばいの地区)。特に適地が少なくデベが競合するエリアで上昇が目立った。東京圏に比べ、コロナ禍で住宅地の下落が目立っていた大阪圏・名古屋圏でも住宅地に持ち直しの動きがみられた。
コロナ禍の打撃を住宅地より強く受けている商業地はまだら模様だ。商業地全68地区のうち、上昇は10地区(6地区)、横ばいは31地区(27地区)、下落は27地区(35地区)だった。名古屋市内の商業地では法人投資家らの取引の動きが戻り回復の動きがあった。前回横ばいだった「名古屋駅前」「伏見」「久屋大通駅周辺」が全て0~3%上昇に移行した。
下落地点は減少したものの、前回から変わらず3~6%下落となったのが「歌舞伎町」「心斎橋」「茶屋町」「なんば」だ。コロナの影響で店舗などの収益性が低下しており、回復の動きはみえていない。
(提供:日刊不動産経済通信)