地価LOOK、住宅地で上昇地区が増加
2021年08月23日
―商業は東京オフィス街下落、二極化進む
国土交通省は20日、全国100地区の地価LOOKレポート(21年第2四半期=21年4月1日~7月1日の変動率)を発表した。上昇地区数は35地区(前回28地区)に増加し、下落地区数も29地区(27地区)に増えた。横ばいは36地区(45地区)に減少。上昇地区数の増加は3四半期連続となるも、全体的な回復ではなく、住宅プラス・商業マイナスの傾向が継続し二極化が進んだ形だ。
住宅地は旺盛な住宅需要に支えられ、マンションの販売状況が堅調。デベロッパーなど事業者のマンション素地取得の動きが回復している地区が増加した。住宅地(全32地区)は上昇24地区(前回18地区)、横ばい8地区(14地区)、下落は前回に続きゼロだった。
一方、商業地(全68地区)は上昇11地区(10地区)、横ばい28地区(31地区)、下落29地区(27地区)。今回、変動率区分が横ばいから上昇に移行した7地区は、住宅地が6地区(東京・中央区佃・月島、江東区豊洲、同有明、草津市南草津駅周辺、京都市中京区二条、西京区桂)だったのに対し、商業地は1地区(東京・中野区中野駅周辺)にとどまった。変動率区分が横ばいから下落に移行した地区は4地区全てが商業地だった(東京・千代田区丸の内、同有楽町・日比谷、中央区八重洲、金沢市金沢駅周辺)。
今回横ばいから下落に移行した4地区のうち、3地区は東京都心の有数のオフィス街だった。コロナ禍が長引くなか、商業地はこれまで飲食店の集中する繁華街で下落が目立っていたが、「オフィスが少し厳しくなってきている兆しが見え始めている」(不動産・建設経済局地価調査課地価公示室)。
(提供:日刊不動産経済通信)