JLL、3Q国内不動産投資額は56%増
2021年12月07日
―オフィス投資の回復鮮明、物流投資減少
ジョーンズラングラサール(JLL)は国内における21年第3四半期(3Q)の不動産投資額が前年同期比58%増の1兆3001億円になったとの調査結果を公表した。前期との比較では108%増とさらに回復が顕著だ。1~9月の累計では前年比9%減の3兆1473億円と微減だが、総額に占めるオフィスの投資比率は20年通年の32%を20㌽も上回った。物流施設の比率は31%から13%に下がった。同社リサーチ事業部の大東雄人シニアディレクターは「コロナ禍で都心のオフィスが売られる傾向があり、売買取引が活発になった」とみている。
JLLの集計によると、在宅勤務の広がりなどで都心5区にオフィスビルの売却事例が増え、取引総額を押し上げる要因になった。企業らがオフィスなどの不動産を売る動きが今後も続くと同社は展望している。一方、海外投資家による投資額は1~9月累計で5714億円と20年通年の1兆5548億円を1兆円近く下回った。投資額全体に占める海外投資家の割合も34%から18%と半減した。大東氏は「ロンドンやパリ、上海など他国では海外投資家の比率が過半に上る。日本は海外からの投資が増える余地が大きい」と指摘。そのためには不動産の取引過程や企業統治などの面で透明度を高めることが必須だと強調する。
今年1~9月の地域別投資割合は、東京都心5区が過去最低水準だった前年の29%から43%に回復した。大阪圏は3㌽減の15%だった。一方、不動産を購入した属性別ではJリートが1兆1025億円と最も多く、投資比率は5㌽増の35%。オフィスビル特化型と総合型の物件取得が目立って増えたという。
(提供:日刊不動産経済通信)