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首都圏の賃貸住宅市況は都心需要強まる

2023年03月17日

―賃料は上昇、ファミリータイプも人気

 首都圏の賃貸住宅市況は、コロナ禍で広まった郊外人気が一段落し、都心部での需要が強まっている。エイブルの東京南営業部麻布エリア・エリアマネージャーの福田雅人氏は、「コロナ前にはみられなかった傾向として、1度の内見で賃料30万円以上のファミリータイプの賃貸マンションが早期に決まることも珍しくない」と話す。また、「港区赤坂などの都心エリアのファミリータイプは、坪当たり2・5万~3万円の高い賃料設定でも人気がある」(福田氏)という。

 都心部を中心に、首都圏全体で人の流れが戻り、通勤や通学の利便性を重視した物件選びが増えている。アットホームラボ執行役員の磐前淳子氏は「22年は都心部で前年同月を上回る需要が続いており、コロナ禍で起きたニーズからの変化が顕著になった」と分析する。LIFULL HOME’S総研副所長の中山登志朗氏は、「首都圏では、シングル向けから先に都心回帰の兆しがみられてきている」と話す。東京23区では、居室のタイプやエリアによって違いはあるものの、稼働の安定に加えて、「賃料が上がってきている」との見解で一致している。

 コロナ禍を経て、広い住空間を求めるニーズや住宅へ投資する優先度が高まり、「賃料交渉などは目立って減り、物件の入居が順調に決まっていき、仲介現場のやりがいにもつながっている」(福田氏)。中山氏も「賃料を下げることに躊躇するオーナーは多いものの、フリーレントを付けるなどの見せ方の工夫は増えた」と話す。ポータルサイトでは「住みたい駅・エリアからではない形で賃貸住宅を検索する入居検討者が増えている。物件の備えている設備や仕様の特徴を詳しく打ち出した方が成約につながる」(磐前氏)としている。住宅で過ごす時間が増えたこの数年を経た変化として、「都心で働く若い賃貸居住者でも、会社や仕事の関係だけでなく、地域のコミュニティとつながりを持ちながら暮らす層が増えてきた」(中山氏)。福田氏は、都心で利便性に着目して住宅を選ぶ事例が増えたため、「港区などで、50~60㎡台で2LDKのファミリータイプの高額帯も人気がある一方、都心の繁華街に近いエリアで、利便性を求めて15㎡を割る狭小物件を選ぶシングル層もみられる」と話す。

 投資対象として、都心の賃貸住宅の人気は相変わらず高い。国内外のファンドやリートによる取得利回りも、4%を切る水準や5億~10億円といった金額帯の物件にも興味を示す場合があるようだ。コロナ禍で改めて評価された安定性は、上向きの賃貸市況で更に評価を高めそうだ。

 コロナ禍を経て人気が高まった仕様もみられる。賃貸管理の大手会社からは、仕切って部屋数を増やせる住戸のニーズは高いという。また、賃貸マンションでも非接触など新しい価値観に基づく仕様は、安心感を高める要素となっている。DXYZ(ディクシーズ)の顔認証を採用した世田谷区の新築物件は、新築でシングル向けの居室が中心で、駅遠にもかかわらず入居開始前の時点で全46戸のうち44戸に申し込みが入った。中山氏は、「今年はまだ、LIFULL HOME’Sのデータでは、都心の高額物件が賃貸市況を引っ張る状況とはいえない」と慎重にみる。磐前氏は「物件価格の上昇から購入を諦めて、資金のある状態で賃貸を選ぶ事例もみられる」と分析。首都圏の賃貸住宅の市況は確実に上向いている。

(提供:日刊不動産経済通信)

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