首都圏の中古Mは分譲時を上回る価格に
2023年05月09日
―東京カンテイ、築10年リセール売価調査
東京カンテイは8日、22年における築10年の中古マンションのリセールバリュー調査をまとめた。首都圏では、22年に中古マンションとして販売した際のリセールバリューを算出可能な398駅のうち、150%以上まで分譲時より大きく価格が上昇した駅は71駅(17・8%)だった。100%以上150%未満も318駅(79・9%)となり、ほぼ全ての駅で分譲時の価格を上回った。リセールバリューのランキング1位は、「六本木一丁目」駅で251・6%だった。
リセールバリューが150%以上となった駅は、「六本木一丁目」駅以外にもJR山手線エリアや、オフィスが集中する都心の職住近接エリア、富裕層に人気の住宅地がある城南エリアに多くみられた。上位30駅のうち、最多は港区で11駅。渋谷区と千代田区が5駅ずつだった。2位は「新御茶ノ水」駅で208・1%、3位「代々木上原」駅で192・0%。1位の「六本木一丁目」駅の物件は、大手ゼネコン施工の大規模タワーマンションが人気でリセールバリューを押し上げ、分譲時の価格は坪500万円弱だったが、築10年の中古流通価格は坪1200万円前後まで高騰している。都心以外で上位にランクインしたのは、22位にセカンド利用も含めて人気の高い「片瀬江ノ島」駅(166・1%)や、26位に横浜市の繁華街とも近く交通至便な「桜木町」駅(164・5%)など。
リセールバリューが新築分譲時の価格を下回った9駅は、都下や周辺3県の遠方に、新築時に比べて90~100%が6駅(1・5%)、80~90%が3駅(0・8%)のみで、大きく資産価値が減少した駅はなかった。なお、リセールバリューの調査は、近畿圏と中部圏の結果も公表している。
(提供:日刊不動産経済通信)