上期の中古M価格は首都圏で上昇が鈍化
2023年09月05日
―東京カンテイ、三大都市圏で大崩れせず
東京カンテイは4日、23年上半期の中古マンションの相場坪単価をまとめた。首都圏は331・2万円(前期比4・2%増)で、21期連続の上昇を記録した一方、上昇度合いは22年上半期から3期続けて鈍化傾向だった。特に東京23区は405・2万円(2・9%増)と400万円の大台に達したが、23区のうち19区で上昇幅は縮まった。近畿圏では217・8万円(3・8%増)、中部圏が166・7万円(4・7%増)で、三大都市圏すべてで価格が上昇した。
同社市場調査部・主任研究員の髙橋雅之氏は、「大崩れしない市況が続いている。新築マンションの価格に下がる要素がなく、売りと買いの折り合いのつく価格を探るマーケットだ」と分析する。首都圏は、東京都が384・7万円(3・0%増)、神奈川県が250・1万円(3・9%増)で上昇幅が縮まった。東京23区では、品川区の458・0万円(4・9%増)や世田谷区の402・8万円(4・7%増)など4区のみ前期より上昇幅が拡大した。渋谷区は611・9万円(2・0%増)、目黒区は503・3万円(2・5%増)と上昇し、500万円台の大台に到達した。
近畿圏は、中心地の大阪市が253・4万円(2・8%増)と上昇幅が前期の3・9%より鈍化したものの、上値を伸ばした。神戸市は216・9万円(4・7%増)、京都市はが288・0万円(4・7%増)で、大阪市を上回る伸びだった。中部圏の相場価格は21期連続の上昇で、前期は3・2%だった上昇幅が拡大した。愛知県や三重県の上昇度合いが強まった。
なお、相場坪単価には、東京カンテイ独自の試算により、流通事例を「4階・中住戸・南向き」へ補正して均質化を図ったデータを用いている。
(提供:日刊不動産経済通信)