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不動産投資市場は買い手多く足元は堅調

2023年09月20日

―三菱UFJ信、不動産マーケット勉強会

 三菱UFJ信託銀行は19日、「不動産マーケット情報勉強会」を開催した。不動産投資、住宅関連、オフィス、物流関連不動産といった各市場の最新の動向に関する情報を提供した。不動産投資市場では、23年上期の不動産取引総額を2・5兆円(前年同期比20・3%減)、海外投資家比率は前年並みの27・9%とした。また、海外経済の悪化や日本銀行の政策修正を始め外部環境の著しい変化については、足元の投資市場に買い手が多く影響は生じにくいと分析した。

 住宅関連市場で、新築マンションの価格上昇はマンション原価の上昇に加え、22年の首都圏市場で上位5社のシェアが37%を占めるなど経営基盤の安定した大手デベロッパーによる寡占化が背景にあるとした。また、住宅の資産性に着目した将来的な売却ありきの取得などもある旺盛な不動産投資ニーズ、依然として続く住宅ローンの良好な調達環境や共働き比率の増加なども影響したという。「アクセス性にすぐれたマンションの人気が高まっている。今後1~2年は1割程度の価格上昇が続く見通し」(同社不動産コンサルティング部リサーチャー・舩窪芳和氏)と語った。

 富裕層個人の投資動向の傾向として、「新築や築浅の一棟賃貸マンションの取引が右肩上がりで増えている」(同社不動産コンサルティング部フェロー・大溝日出夫氏)と話す。オフィス市場は、需給動向として東京で空室率の悪化に歯止めがかかるが、空室は長期化傾向とする。また、新築ビルのリーシングに苦戦する懸念があるという。物流関連不動産の市場では、近年の物流施設ストック拡大が関東に集中している背景に、商圏の小規模化やECの規模拡大など消費構造の変化が影響したのではないかと捉えている。

(提供:日刊不動産経済通信)

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