国交省、不動産クラファンの手引書作成
2023年10月05日
─3つの実務フェーズで必要な対策示す
国土交通省は、「クラウドファンディングを活用した不動産特定共同事業に係る実務手引書」を作成した。不動産特定共同事業法に基づく不動産クラウドファンディング(CF)を行う事業者を対象にした初の手引書。必要な組織体制や管理体制を、実務上のフェーズごとに解説する。CFの実務を成功させるためのマーケティングの工夫や、戦略についてもノウハウを紹介。近年拡大しているCFの更なる活用促進に向けて、事業者の適切な業務管理体制の実現と、投資家保護の実践を目指す。
手引書は、組織体制構築からシステム開発までの「事業導入フェーズ」、社内審査から企画・商品設計と顧客獲得戦略の立案、投資家募集までの「マーケティングフェーズ」、ファンドの管理運営と清算までの「管理・運営フェーズ」の3つの実務フェーズの説明で構成される。各フェーズでの必要な対策と、その対策をしない場合はどんなリスクが発生するおそれがあるのか、詳しく示す。業務を外部委託する場合の留意点も説明する。
不特法に基づくCFは、22年度に前年度比約1・85倍の419件となり、出資額の総額も同2・61倍の約604億円まで拡大している。老朽化施設の改修や再生、地方での不動産投資の資金調達手法としても利用されている。
一方で、特に地方ではノウハウが十分に蓄積されていない課題があった。国交省は不特法の電子取引業務ガイドラインを19年に策定している。これを分解し、より分かりやすくしたのが手引書。ノウハウにアクセスしやすいようにし、課題解決を図る。
(提供:日刊不動産経済通信)