不動産取引市場、23年上期は2・3兆円
2023年10月24日
―不動研調査、外資系減もリートは買越
日本不動産研究所は、23年上期(1~6月)を対象とした不動産取引市場調査をまとめた。上期の取引額は約2・3兆円で、22年下期の約2・1兆円から増加した。22年下期は金利上昇の警戒感などから取引額が前の期(22年上期、約2・5兆円)から減少していたが、23年上期は増加に転じた。物流施設やホテルの取引は依然として活況を呈しているが、オフィスの取引は減少した。
アセット別にみると、最も取引金額が多いのはオフィスだが、上期は物流施設の取引が特に増えた。ホテルの取引は新型コロナ感染症が拡大した20年上期以降、一部の期を除き取引量が少なくなっていたが、22年上期から反転し、22年下期、23年上期とも取引は活発に行われている。レジデンスは22年下期と比べると減少、商業施設が増加した。
取引主体は、Jリートが買い越し、SPC・AMが売り越しだった。外資系の取得減少などでSPC・AMは22年下期までの買い越しから売り越しに転じた。外資系の取引金額は約4800億円で、過去最高額だった22年上期の約1兆円からは減少している。
全体の取引量はリーマンショック後に1兆円まで減り、市場は大きく縮小していたが、21年下期に2・8兆円に達し、07年上期の過去最高額(約3兆円)に迫った。コロナ拡大以降も2兆円台を維持しており、底堅さを維持している。
集計の対象は、法人やJリート、証券化対象の不動産関係者が関与した投資用不動産・事業用不動産の取引事例。個人の住宅取得や個人投資家による取引は含まれていない。
(提供:日刊不動産経済通信)