マンション修積金、適正値上げ幅を提示
2024年02月28日
―国交省、管理計画認定制度の基準に反映
国土交通省は、マンションの修繕積立金で「段階増額積立方式」を採用する場合の適正な値上げの基準案を示した。毎月均等額を徴収するもうひとつの積立方式「均等積立方式」とした場合の修積金の月額を基準額とし、初期額~最終額が「基準額の0・6倍以上~1・1倍以内」に納まっていることを案とした。値上げ上限は計算上約1・8倍までとなる。国交省は、この考え方を適正管理マンションを認定する国の制度「管理計画認定制度」の認定基準に加える方針だ。
値上げ幅案は、27日に開かれた認定制度の見直し議論を行う有識者作業部会で示された。具体的な値上げ幅の数字を基準として打ち出すことに対して、委員からは賛否両論あったが、国交省は見せ方を工夫して示す方針。高経年マンションほど修積金の引き上げは難しくなることから、一定の築年数を超えたマンションを認定する場合は均等積立方式のみとする考えも示された。この場合の一定の築年数は、2回目の大規模修繕を控える「15年」や「20年」で国交省は検討している。また、防災対策を認定基準に加える案も示された。防災対策基準は、防災マニュアル作成や防災訓練の実施、防災用名簿作成などを含める方向。
修積金の設定は新築分譲時の初期設定が非常に重要になるが、新築を対象にした予備認定制度(認定はマンション管理センター)と管理計画認定制度は制度的なつながりがない。国交省は、新築時から一定の管理水準の確保と継続を実現する仕組みも検討する。
認定基準の見直し時期は、認定主体の地方自治体や管理の現場の混乱に配慮し、27日時点では将来的に検討することとして、明確にはしていない。
(提供:日刊不動産経済通信)