新たな土地基本方針、6月閣議決定へ
2024年04月17日
―国交省、改定案に「非宅地化」盛り込む
国土交通省は16日、国土審議会土地政策分科会企画部会を開き、次期土地基本方針の改定案を公表した。前回の改定は21年5月。社会経済情勢の変化を踏まえ、新たに「非宅地化」の方策を構築することが明記された。また、防災・減災に関する内容も拡充する。今後パブリックコメントを実施し、6月の閣議決定を目指す。
土地基本方針は、土地基本法に基づいて、土地に関する施策の基本的な方向性を示すもの。土地の利用や管理、土地取引、土地の調査など、取り扱う範囲は幅広い。
新たな土地基本方針の案には、国・地方自治体・民間事業者・NPOといった幅広い主体が力を合わせて、「『非宅地化』を含む土地利用の円滑な転換やその後の継続的な管理を確保する枠組みを構築する」と明記された。「非宅地化」は、これまでの土地政策は宅地化を前提としており転換が必要として、同省の土地政策研究会(23年10月~)がテーマとして取り上げていたキーワード。低未利用土地や所有者不明土地への対応施策の部分に盛り込まれる。また、防災・減災に関する記載も強化される。流域治水の観点から水防災に対応したまちづくりを進めるとともに、「住まい方の工夫を迅速に進めることによる適正な土地利用の早期確保」を進める。
土地基本方針は、土地基本法の抜本的な改正があった20年5月に制度化。21年5月に相続登記の申請義務化や所有者不明土地特措法の改正を反映した一次改定が実施された。その後国交省は、23年5月に5年ごとに内容を見直す方針を示していた。
(提供:日刊不動産経済通信)