中古Mは売りの強気で都心6区13%上昇
2024年04月24日
―カンテイ、首都圏の3県は前年割れに
東京カンテイは23日、3月の中古マンション売り出し希望価格(70㎡換算)をまとめた。首都圏の平均価格は4680万円(前年同月比3・7%減)だった。都県別に、東京都のみ6465万円(0・2%増)と前年同月を上回ったが、神奈川県の3600万円(1・7%減)を始め3県は前年割れだった。東京都でも特に、都心6区は売り手の強気姿勢が変わらず1億1507万円(13・1%増)と前月比の上昇が14カ月連続。前年より1割以上も高い価格が続いている。
主任研究員の髙橋雅之氏は、「都心6区でも最高の千代田区は1・5億円台に達して上値が重いが、1・4億円台半ばの港区や1・2億円台に入った渋谷区は、多様な富裕層からの需要で価格に上昇余地がある。都心6区も、千代田区や港区と他の区で差が開いた」と分析する。新築マンションの供給が都心で限られるため、代替となりやすい築浅で広めの物件などは価格が目立って上昇しているという。3県の中心部をみると横浜市が3744万円(1・9%減)、さいたま市が3612万円(6・5%減)と前年を下回り、割安感の強い千葉市のみ2621万円(8・5%増)で上昇した。髙橋氏は「都心部は価格が上昇して在庫件数も減少傾向。一方で、周辺部の方から一般の消費者が上昇する価格に追いつけなくなった」と話す。
平均価格は近畿圏が2831万円(2・2%減)で24年に入って最低値だった。大阪府は3026万円(2・5%減)、大阪市も3864万円(1・0%減)で前年を下回る傾向。ただし、大阪市は築古物件の増加が影響した模様だ。中部圏は2240万円(3・9%減)で、愛知県が2376万円(3・8%減)、名古屋市が2744万円(4・1%減)だった。
(提供:日刊不動産経済通信)