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マンション外部管理者方式で新指針公表

2024年06月10日

─国交省、小規模マンションへの配慮も

 国土交通省は7日、マンション管理業者が管理者となる場合を含む「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン」を公表した。マンション管理士などの専門家を前提としていた従前の指針に、新たに管理業者管理者方式の留意点を加えた。同日にはマンション標準管理規約や修繕積立金ガイドラインなど、マンション管理に関わる重要規定も改正された。

 外部管理者方式ガイドラインが示した管理業者管理方式の主な留意点は、▽管理者の業務執行状況を監視する監事を設置(少なくとも1名はマンション管理士や弁護士など外部専門家とし、加えて区分所有者からも選任することが望ましい)▽管理組合の預金口座の印鑑等は監事が保管▽管理者の任期は原則1年程度▽区分所有者の意思反映のための環境整備(例・区分所有者で構成される組織設置)▽管理規約に管理者の固有名詞を記載しない(管理業者が管理者の地位を離れる場合のため)─など。

 管理業者による利益相反対策も盛り込む。総会で承認を得た金額以上の支出を伴う取引や、自己取引、グループ会社との取引は、総会で承認を得ることが必要。また、巨額の費用を投じることになる大規模修繕工事は、区分所有者・監事で構成する修繕委員会を設置し、委員会主体で検討を進める。

 新指針は、小規模マンションが管理業者管理者方式を導入する場合の配慮も示している。監事の設置で、小規模マンションには、経済的な理由から外部専門家の選任が難しいことも考えられる。その場合、①区分所有者に対する定期的な報告(月1回程度)が実施されている②区分所有者の意思を反映する仕組みが整備されている─これらを満たす場合、監事の構成を区分所有者のみとすることも容認する。

 小規模マンションには、大規模修繕工事の修繕委員会の設置についても、必ずしも求めるものではないこととした。適切な募集期間と公平な立候補機会を確保したものの、修繕委員会の候補者を確保できなかった場合、①設計コンサルタントやマンション管理士の利用について検討する②大規模修繕工事の過程について区分所有者に対する透明性を確保するための措置を講じるとともに、監事に対する定期報告を充実させる─これらを満たすことで、修繕委員会を設置しないことも可。「小規模マンション」の定義については、国交省は戸数など具体的な要件は示していない。

◎修繕積立金の引上げの考え方も指針反映

 また、国交省は7日付で、修繕積立金の段階増額積立方式について、適切な引上げの考え方を「長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」および「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」に反映した。段階増額積立方式は、新築時は修積金を安く抑えておき、段階的に引き上げていく方法。近年、計画期間中の修積金が大幅に上昇している例があり、予定通りの引上げができないマンションが今後増えるおそれがある。毎月均等額を支払う均等積立方式とした場合の月額を基準額とし、計画初期は「基準額×0・6倍以上」、計画終期は「基準額×1・1倍以内」とした。

 併せて「マンション標準管理規約」の改正も実施。所在不明の区分所有者の発生に備え、管理組合員名簿や居住者名簿の作成・更新の仕組みを設けた。またEV(電気自動車)の充電設備や宅配ボックスを設置する場合の決議要件を、過半数以上の普通決議とすることなどを新たに記載している。

(提供:日刊不動産経済通信)

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