分譲マンション販売動向、都23区は好調
2024年08月20日
―トータルブレイン、郊外部は優劣出始め
トータルブレインは、24年前半の首都圏分譲マンション市場の動向に関するレポートをまとめた。23年11月~24年6月に第1期の販売を開始した物件の売れ行きについて、各デベロッパーにヒアリングした。「好調」な物件は全体の44%、「まずまず」は41%、「苦戦」は16%となった。東京23区は概ね好調が継続、神奈川・埼玉・千葉で苦戦比率がやや高くなった。
都心は「好調」78%、「まずまず」22%、「苦戦」ゼロ。富裕層や経営者層、パワーカップルなどが不動産購入に積極的で、良好な需給バランスによる高い希少価値もあり販売は絶好調とする。一方、埼玉は「好調」42%、「まずまず」35%、「苦戦」23%、千葉は「好調」38%、「まずまず」38%、「苦戦」25%と、郊外部で苦戦比率が高まっている。今年前半は、建築費の高騰により販売価格が大幅に上昇。コロナ禍以降、郊外部にエリア拡大するデベロッパーが増え、郊外や駅遠の供給材料が増加した。一方で、足元の販売は交通アクセス性が低い沿線や駅、駅遠物件で集客に苦戦する物件が出始め、優劣が付き始めている。同社の杉原禎之副社長は「坪単価200万円までの物件は駅遠や沿線力・駅力が弱くても割安感で売れ行きはまずまずだが、200万円台中盤以上では販売が苦戦するケースが多い」と話す。価格転嫁が難しい郊外は今後さらに厳しくなり、事業化が難しくなるとみる。
同社の調べによると、首都圏で今後販売予定の物件は2万9528戸あり、建築看板を捕捉した開発案件は3万2302戸。神奈川・埼玉・千葉での供給材料が多いが、事業化が可能かの判断により、着工取りやめなどの供給調整が起きるとみる。
(提供:日刊不動産経済通信)