来年度予算 税制改正要望・25年概算要求、前年度比2割増の7兆円
2024年08月28日
─国交省、空き家・不明土地対策は5割増
国土交通省は27日、25年度予算概算要求と税制改正要望を公表した。概算要求は一般会計で前年度予算比18%増の7兆330億円を要求した。このうち、賃上げや物価対策など「重要政策推進枠」には1兆6149億円を充てる。昨年と同様、「国民の安全・安心の確保」「持続的な経済成長の実現」「個性をいかした地域づくりと分散型国づくり」が大きなテーマ。各テーマの不動産・住宅関連要望は以下の通り。
【国民の安全・安心の確保】大規模地震や大規模火災発生時の被害軽減のため、密集市街地の改善や住宅・建築物の耐震化強化に前年度比115%増の392億円を要望。密集市街地の建替え・改修や無電柱化を推進するほか、既存建築物の火災安全改修の促進にも充てる。
【持続的な経済成長の実現】地方都市のイノベーション力・大都市の国際競争力の強化に157億円(前年度比20%増)を求める。イノベーション拠点の形成やデジタル技術を通じて、地方都市と大都市の交流・連携を推進。国際ビジネス拠点を支える都市基盤の整備と優良な民間都市開発事業を推進する。グリーントランスフォーメーション(GX)推進のため、脱炭素効果の高い住宅・建築物の普及や、木材利用の促進などを通じた住宅・建築物の脱炭素対策等の強化に1263億円(19%増)を要求する。具体的には、既存ストックの省エネ改修支援強化や、中小住宅生産者を支援し、省エネ住宅・建築物の普及加速の体制整備の後押しに充てる。グリーンインフラ、まちづくりGXには193億円(28%増)を要求。エリア一体での脱炭素化や都市緑地への民間投資促進、都市の脱炭素化に資する民間都市開発、都市の暑熱対策などの支援を行う。ビジネスでの利活用に向けた地籍整備等の推進やデータ基盤・提供環境の整備には113億円(17%増)を要求した。不動産投資市場の活性化を通じたビジネスの機会拡大・効率化や新ビジネス創出のため、デジタル化やESG投資などの新たな動向を踏まえた不動産投資市場の環境整備などに充てる。
【個性をいかした地域づくりと分散型国づくり】空き家対策、所有者不明土地等対策及び適正な土地利用の促進のため、122億円(54%増)を要求した。空き家の活用や除却などへの総合的な支援、空き家対策でのDX促進などを進める。地方への人の流れを創出する官民連携による二地域居住等の推進・個性ある多様な地域生活圏の形成に311億円(20%増)を計上。空き家の活用などによる二地域居住の環境整備の強化、反復継続した来訪を促進するための第2のふるさとづくりなどを推進する。
(提供:日刊不動産経済通信)