中古M価格は23区の上昇が久々に止まる
2024年09月02日
―アットH、首都圏の7月住宅価格動向
アットホームは8月30日、7月の首都圏における住宅の売り出し価格の動向を公表した。戸当たり平均価格は、中古マンションで3873万円(前年同月比0・3%減)だった。9カ月連続で前年同月を下回った。加えて、東京23区は5329万円(7・4%増)だったが、前月と比べると1万円の下落で、14カ月ぶりに前月割れへと転じた。アットホームラボの磐前淳子執行役員は「都心では、築浅など高スペックな物件の売れ行きが良く、23区全体の平均でみると価格の勢いが弱まった」と話す。新築戸建の平均価格は4454万円(0・8%減)となり、6カ月連続で前年を下回った。
磐前氏は中古マンション市況を「引き続き都心部のニーズは強いが、所有者が物件を出し渋る事例などもあるようだ」として、都心は在庫不足とみている。首都圏では、23区に加えて都下の3229万円(1・2%増)と千葉県西部を除く千葉県他の2053万円(1・6%増)のみ前年超え。他エリアは、横浜市・川崎市が3388万円(0・1%減)、さいたま市が3272万円(7・3%減)など5エリアで前年割れだった。磐前氏は「ここ数年の価格上昇で地元の購入者が減ったとの声があり、郊外でも都心側から流入する層が増えたのではないか」と捉えている。
新築戸建をエリア別にみると、東京23区で6915万円(1・3%増)だった。23年4月の6941万円に次ぐ、17年の調査開始から2番目の価格だった。一方で、都下は4758万円(0・2%減)、横浜市・川崎市は5217万円(2・4%減)、さいたま市は4377万円(0・3%減)など、6エリアで前年より下落する傾向だった。
(提供:日刊不動産経済通信)