東京都心5区の空室率は4%台まで低下
2024年10月10日
―三幸と地所リアル、賃料も前年比堅調
三幸エステートと三菱地所リアルエステートサービスは9日、9月のオフィスビルの需給動向を公表した。三幸の東京都心5区における1フロア200坪以上の大規模ビルが対象の調査では、空室率が4・17%(前月比0・23㌽減)に低下した。地所リアルの都心5区と品川区、江東区の主要7区で延床3000坪以上のビルを対象とした調査をみると、空室率は都心5区で4・94%(0・17㌽減)、主要7区で5・13%(0・17㌽減)に低下した。
三幸の調査によると、潜在空室率も6・03%と21年1月以来の5%台が目前に迫った。共益費込の募集賃料を坪当たり2万8755円(74円増)とした。賃料は、前年同月と比べて8カ月連続で上回った。23年後半に下げ止まりとなり、緩やかな上昇傾向に転じた募集賃料は、今後も堅調な動向が続く見通しとした。今関豊和チーフアナリストは、都心部のビルで賃料を引き上げる動きについて、「多くは立地条件に優れたビルや稼働率が改善したビルで、大口の募集床を抱えるビルでは、賃料水準の引き上げよりもテナントの確保が優先される状況に変わりはない」とみている。
地所リアルの調査では、共益費を含む平均募集賃料は坪当たりで、都心5区が3万1097円(138円減)、主要7区が2万8464円(108円減)だった。各区の空室率は千代田区の2・29%(0・24㌽減)を始め6区が前月より低下。賃料は、同じく千代田区は3万9927円(100円増)と緩やかながら4万円目前への上昇を始め、4区で上昇傾向。調査では、空室率の緩やかな改善と、前年同月比で賃料の堅調な推移を捉えている。また、24年の移転事例では築浅物件への移転が多い傾向がみられたという。
(提供:日刊不動産経済通信)