Ⅱ. マイホーム売却時の税金
相続空き家に係る居住用財産の3,000万円特別控除の判定事例と注意点について
更新日:2024年9月25日
土地の上に母屋、はなれ、車庫等の建築物が複数ある場合の3,000万円控除は?
被相続人の居住していた建物に対応する部分が相続空き家の3,000万円控除の対象となります。建物を取壊して譲渡する場合にも、取壊し直前の利用状況で判定します。
相続空き家の3,000万円控除の対象となる譲渡対価は、建築物の延床面積による按分計算で求めます。
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上記のような利用状況における3,000万円控除対象の売買代金は、特例によって異なります。
①相続空き家の3,000万円控除
相続空き家の3,000万円控除の対象となる売買代金は、被相続人が居住していた建物に対応する部分のみであるため、次のように計算します。
売買代金
9,000万円
母屋200㎡
母屋200㎡+はなれ80㎡+車庫20㎡
②自己の居住用財産の3,000万円控除
売買代金
9,000万円
賃貸併用住宅に居住する被相続人の1人ぐらしの判断は?
1棟の建物の一部に賃貸部分がある場合において、賃借人がいるときはその家屋に1人で居住していないため、相続空き家の3,000万円控除は適用できません。
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土地だけを相続した場合の相続空き家の3,000万円控除は?
被相続人から長男が被相続人の居住する家屋の敷地だけを相続し、家屋を取壊し売却している。
相続空き家の3,000万円控除は、家屋と土地の両方を相続することを要件としているため、土地のみを相続した場合には適用できません。
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未登記の場合の昭和56(1981)年5月31日以前の建築時期の判定は?
未登記の場合にも昭和56(1981 )年5月31日以前にその建築工事に着手したことが、遺産分割協議書、請負契約書、確認済証(昭和56(1981)年5月31日以前に交付されたもの)、検査済証(検査済交付年月日が昭和56(1981)年5月31日以前であるもの)、固定資産税台帳の写しにより明らかにされるものも含まれます。
自己の居住用財産3,000万円控除と相続空き家の3,000万円控除を同一年に受ける場合の注意点は?
2つの特例は同一年に併用して適用できますが、年間控除限度額は3,000万円となります。