Ⅰ.マイホーム購入時の税金
住宅ローン控除額の計算事例
更新日:2024年9月25日
計算例7 住宅ローン控除
甲(18才の子供を扶養している子育て世帯に該当)が本年9月に5,000万円の新築マンション(省エネ基準適合住宅に該当)を住宅ローン3,000万円と自己資金2,000万円で取得し、10月から居住しています。年末住宅ローン残高は2,990万円、給与の源泉所得税額は45万円、取得時の仲介手数料は150万円でした。住宅ローン控除の要件はすべて満たしているものとして、所得税の還付額はいくらになるでしょうか。
- 取得対価 5,000万円(仲介手数料は含まない)
- 年末残高 2,990万円
- 借入限度 4,000万円(省エネ基準適合住宅限度)
- 最 小 2,990万円
- ④ ×0.7%=20.93万円(100円未満切捨)<45万円(源泉所得税額を限度) ∴ 20.93万円
計算例8 控除不足額の住民税控除
甲(18才の子供を扶養している子育て世帯に該当)が本年9月に5,000万円の新築マンション(省エネ基準適合住宅に該当)を住宅ローン3,000万円と自己資金2,000万円で取得し、10月から居住しています。年末住宅ローン残高は2,990万円、給与の源泉所得税額は15万円、取得時の仲介手数料は150万円でした。住宅ローン控除の要件はすべて満たしているものとして、所得税の還付額及び住民税からの住宅ローン控除額はいくらになるでしょうか。課税総所得金額等は250万円とします。
- 所得税の還付額 20.93万円※>15万円 ∴ 15万円(源泉所得税を限度)
- 住民税からの控除額
(1)控除不足額 20.93万円-15万円=5.93万円
(2)限度額 250万円×5%=12.5万円>97,500円 ∴ 97,500円
(3)住民税控除額(1)<(2) ∴ 5.93万円
※計算例7で算出した金額です。
計算例9 中古住宅に増改築を行った場合
本年2月に中古住宅を3,000万円(その他の住宅に該当)で購入し、認定住宅にするための増改築工事2,000万円を全額銀行からのローン5,000万円で支払いました。住宅ローン控除の要件はすべて満たしています。この場合における住宅ローン控除額はいくらでしょうか。なお、給与の源泉徴収税額は30万円、年末住宅ローン残高2,990万円、リフォームローン残高1,800万円です。
- 取得対価 3,000万円(仲介手数料は含まない)
- 年末残高 2,990万円
- 借入限度 2,000万円(中古のその他の住宅限度)
- 最 小 2,000万円
- ④×0.7% =14万円
- 取得対価 2,000万円(仲介手数料は含まない)
- 年末残高 1,800万円
- 借入限度 2,000万円-2,000万円=0円(増改築の限度)
- 最 小 0円
- ④×0.7%=0円
(1)+(2)=14万円
∴ 14万円<30万円(源泉所得税額を限度) ∴ 14万円(100円未満切捨)
計算例10 連帯債務
甲(18才の子供を扶養している子育て世帯に該当)が本年9月に5,000万円の新築マンション(省エネ基準適合住宅に該当)を住宅ローン3,000万円と自己資金2,000万円で取得し、10月から居住しています。年末住宅ローン残高は2,990万円でした。マンションは夫婦2分の1の共有で、住宅ローンが連帯債務、自己資金2,000万円を妻が全額負担している場合における住宅ローン控除額はいくらになるでしょうか。給与の源泉徴収税額は夫20万円、妻13万円とします。
なお、登記持分とローン負担割合を整理すると次のようになります。
夫 | 妻 | 合計 | |
自己資金 | - | 2,000万円 | 2,000万円 |
住宅ローン | 2,500万円 | 500万円 | 3,000万円 |
合計 | 2,500万円 | 2,500万円 | 5,000万円 |
登記持分 | 1/2 | 1/2 | - |
ローン負担割合 | 5/6 | 1/6 | - |
共有割合が2分の1のため各々の資金拠出額は2,500万円となります。妻は自己資金2,000万円を負担しているので、住宅ローンの負担は500万円、夫は自己資金ゼロのため、住宅ローン負担額は2,500万円となります。
したがって、住宅ローン負担額は夫が2,500万円/3,000万円⇒5/6、妻が500万円/3,000万円⇒1/6となります。
夫の住宅ローン控除額
- 取得対価 5,000万円×1/2=2,500万円(仲介手数料は含まない)
- 年末残高 2,990万円×5/6=2,491.6万円
- 借入限度 4,000万円(省エネ基準適合住宅限度)
- 最 小 2,491.6万円
- ④ ×0.7%=17.44万円(100円未満切捨)<20万円(源泉所得税額を限度) ∴ 17.44万円
妻の住宅ローン控除額
- 取得対価 5,000万円×1/2=2,500万円(仲介手数料は含まない)
- 年末残高 2,990万円×1/6=498.3万円
- 借入限度 4,000万円(省エネ基準適合住宅限度)
- 最 小 498.3万円
- ④ ×0.7%=3.48万円(100円未満切捨)<13万円(源泉所得税額を限度) ∴ 3.48万円