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目次

Ⅰ.マイホーム購入時の税金

住宅取得資金の非課税制度とは?計算方法や適用条件について

更新日:2024年9月25日

⑦住宅取得等資金の非課税制度

 父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等のための住宅取得等資金を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、令和8(2026)年12月31日までの間に直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金については、その住宅取得等資金のうち、取得する住宅等の種類に応じ一定の金額まで贈与税が非課税となります。 暦年課税の110万円の基礎控除、又は相続時精算課税の2,500万円の特別控除及び110万円の基礎控除との併用も可能です。

1.適用要件

1 贈与を受けたときに原則として、日本国内に住所を有していること
2 贈与を受けたときに贈与者の直系卑属であること(配偶者の父母または祖父母は直系尊属に該当しませんが、養子縁組をしている場合は該当します)
3 贈与を受けた年の1月1日において、受贈者が18歳以上であること
4 贈与を受けた年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円(居住用家屋(新築の限定なし)の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、1,000万円)以下であること
5 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて一定の住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等をすること(住宅の新築等(住宅取得等資金の贈与を受けた翌年3月15日までに行われるものに限る)に先行して、その敷地の用に供される土地等を取得する場合におけるその土地等の取得のための資金にも適用があります)
6 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、又は、同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること(贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していないときは、非課税制度は適用されず、修正申告が必要となります)
7 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある方から住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築をしたものではないこと
8 平成21(2009)年分から令和5(2023)年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」(旧制度)の適用を受けたことがないこと(一定の場合を除きます)
9 贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに贈与税の確定申告書を納税地の所轄税務署に提出すること(無税の場合も同様)

2.非課税限度額

贈与時期 省エネ等住宅 一般住宅
令和6(2024)年1月1日~令和8(2026)年12月31日 1,000万円 500万円

3.省エネ等住宅

 「省エネ等住宅」とは、次に掲げる要件を備えたことにつき、次のいずれかの証明書類の発行が行われたものをいいます。

要 件 証明書類※1、2
新築住宅

次のいずれかの住宅

  1. 断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等
    6以上の住宅等※3
  2. 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は
    免震建築物の住宅
  3. 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の住宅
  • 住宅性能証明書
  • 建設住宅性能評価書の写し
  • 長期優良住宅認定通知書の写し及び認定長期優良
    住宅建築証明書もしくは住宅用家屋証明書
  • 低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し及び認
    定低炭素住宅建築証明書もしくは住宅用家屋証明書
  • 住宅省エネルギー性能証明書
中古住宅

次のいずれかの住宅

  • 断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級
    4以上の住宅等
  • 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は
    免震建築物の住宅
  • 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の住宅
増改築等
  • 増改築等工事証明書
  • 住宅性能証明書
  • 建設住宅性能評価書の写し
  1. 証明書類は家屋等の取得時に発行後2年以内のものでなければなりません。
  2. 「建設住宅性能評価書の写し」は、要件のいずれかに該当することが記載されたものに限ります。
  3. 断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上の住宅は、以下のいずれかの条件を満たす場合、「省エネ等住宅」に該当します:①令和5(2023)年12月31日以前に建築確認を受けたもの ②令和6(2024)年6月30日以前に建築されたもの

4.特例対象の取得住宅及び増改築

住宅取得等資金の非課税制度 相続時精算課税の住宅取得等資金の特例
取得住宅 床面積 登記簿面積が50m²以上240m²以下
(受贈者の合計所得金額が1,000万円以下の場合
には、40㎡以上(新築の限定なし))
登記簿面積が40㎡以上(新築の限定なし)
居住面積 2分の1以上が居住用
耐震基準 次のいずれかに該当すること
  1. 昭和57(1982)年以降に建築されたものであること
  2. ①に該当しない場合で、新耐震基準に適合する証明書(家屋の取得の日前2年以内に調査が終
    了した耐震基準適合証明書又は家屋の取得の日前2年以内に耐震等級が1~3と評価された
    住宅性能評価書の写し、家屋の取得前2年以内に締結された既存住宅売買瑕疵保険付保証書)
    があるものであること又は、取得日までに耐震工事の申請を行い、贈与年の翌年3月15日ま
    でに耐震基準に適合することが証明されたものであること
増改築 床面積 登記簿面積が50m²以上240m²以下
(受贈者の合計所得金額が1,000万円以下の場合
には、40㎡以上(新築の限定なし))
登記簿面積が40㎡以上(新築の限定なし)
工事割合 工事費用の2分の1以上が自己の居住用に使用される部分に要したものであること
工事費用 工事費用の増改築の工事費用が100万円以上のものに使用されている部分に要したものであること
工事内容 増改築等の工事が、自己が所有し、かつ、居住している家屋に対して行われたもので、「建築確認済証
の写し」「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書(注)より証明されたものであること

(注)給水管、排水管、または雨水侵入防止の工事を行う場合、リフォーム工事瑕疵担保責任保険の契約が結ばれていることを証明する書類を併せて提出してください。