土地売買の契約直前における一方的な中止要求についてご相談です。
Q.ご相談内容
自己所有の土地を売却し、別の土地に新築する計画をしており、売却と土地探しとハウスメーカーとの打ち合わせを同時に進めていました。
予算に合った土地を見つけ(土地の持ち主=売主なので仲介手数料なし)ハウスメーカー(HM)の担当者を代理に立てて直接交渉していました。
購入にあたり以下の事柄を売主に了解済み。
・土地売却金が無いと購入資金が作れない
・10万円の値引きと水道管引き込み工事120万円は売主負担でO.K.(売れ残っている土地であったためか、ぜひ私に買って貰いたいというサービス)。
結果的には約半年後に私の土地が売れ購入資金ができた訳ですが、その半年の間にもHM担当者は売主と連絡を取り合っていましたし、幸運にも土地も残っていました。
売主がこちらの購入意思を理解のもと契約をするという段階で、手付金は無しで良いとの提案を受け、契約も急ぐ必要なしとの事で、先送りしていました。当然その日に契約書を交わすとお互い了解しており、売主了解のもと地盤調査を行い、契約の日を待つという所で問題が発生。
売主の兄弟企業が別にあり前々からその会社に土地を買いたいという人が現れていた様で、今回私が購入する可能性を知ったからか、値引き前の値段で買う、水道引込は買主負担でやる、仲介手数料も払う、手附金50万円払う、という条件を兄弟企業に提案して、兄弟企業としては手数料も入る、売主の負担も無くなるという事で、そちらに売りたいと強引にHM担当者に連絡してきました。
売主も兄弟企業もこちらが購入に向けて敷地調査等やっている事は担当者を通して当然知っているので、なぜこんな事が起きるのかと担当者も困惑の状態です。
売主も自分の負担が無くなる事から兄弟企業に売りたいという方向に向いているようで、手付金いらないという提案も契約日時の延長なども、秘密裏の動きがあったためかと感じます。
ただ同じ条件で購入するなら良いという事でしたが、仲介手数料も要求している部分が法律的にどうなのでしょう?
こちらは売主=持主と交渉している訳です。しかも自宅土地も売却済で、私の住む場所も無くなるという状況です。別の土地を紹介するという事でしたが、山間部なので敷地の状況次第では家が建てられる状態になるまでの仮住まいの費用も出してもらいたいと感じます。そういったことは可能なのでしょうか?
やっと建設に向けて動けるというところで突然出た問題なので、困っています。
A.東急リバブルからの回答
契約締結前ということであれば、原則は、売主が売りたい相手に売るということになります。
ただ、契約締結前といっても、実質的にはもう購入できるという期待をするに十分な交渉経過があり、かつ、購入に向けて具体的に準備を進め、たとえば建物を作るための契約を進め、費用も支出をしていたといったような事情がある場合に、その期待を破るような行為があった場合には、相手方(売主)に対して、「契約締結前の過失」を主張し、損害賠償を請求できる場合があります。
裁判ではあまり認められていない論理ではありますが、検討はできると思います。
本件は売主の兄弟企業ということですので、一般の法人や消費者が購入するという事に比べれば、契約締結前の過失が認められるハードルは低くなると思われます。
仲介手数料についても、売主自らが直接販売をしているとのことですから、かからないのが法律です。住まいが無かったときの仮住まいの金額についても、売主の責任で仮住まいに住むことを余儀なくされたということであれば、その全額を求められるかは難しいかもしれませんが、認められる可能性もあります。
一度無料の法律相談などで、法律の専門家に対応をご相談されてはいかがでしょうか。
ご相談への回答について
「不動産なんでもネット相談室」は、実際にお客様より相談いただいた内容に、東急リバブルが中立的な視点で回答した内容を記載しております。不動産に関してご不明点がありましたらご参考ください。