売主が病気になったことによって、残金決済が遅延しています。この遅延に伴う損失の補填について相談させてください。
Q.ご相談内容
7月上旬に戸建中古住宅(土地付)の売買契約を締結しました。この物件は私が約4年前から賃貸で借りている物件です。賃貸契約の際に仲介して頂いた宅建業者さんに相談し、大家から譲って貰うことになりました。売買契約の際に手付金50万を支払っており残代金の決済日を9月中旬の期日までと決めて契約書に明記しました。住宅ローンの本審査を経て、当日の取引場所、時間も決めてありました。
しかし、前述の期日の6日前に宅建業者から「売主が病気で入院するので決済を延期して欲しい」と連絡がありました。私は期間は一週間程だろうと考え、その時は承諾しました。
ところが、入院が長引き10月初め頃に退院されたようです(宅建業者が売主の経営している会社に電話して聞きました。詳しいことは教えて貰えないそうです)。
宅建業者は、自宅療養している売主を気遣ってか訪れることもせず、明確な決済日を教えて貰えません。
当初の決済日以降の家賃、10月から値上りした火災保険料金(9月中の契約の場合と比較して10年分一括払いで約9万増)は売主から負担して貰うのが筋かと考えておりますが、いかがでしょうか。
宅建業者には、費用の負担を明確にし、覚書を交わしたらどうかと提案しているのですが、全く行動していない様子です。「売主から連絡があったら直ぐに知らせます」と言うだけです。
宅建業者は仲介者としての役割を果たしていないと考えてしまいます。売主が当初の決済日以降の家賃と火災保険料金の差額分を負担しない場合、宅建業者から負担して貰う事は可能でしょうか。
このまま時間が過ぎて行きますと、11月からの予定でリフォーム工事をお願いしている工務店にも迷惑をかけてしまいます。
今後どの様に対応したらよいでしょうか。
A.東急リバブルからの回答
すでに売買契約を締結しておられますし、売主の事情で決済ができないという今の状態は売主の債務不履行と法的には評価される可能性が高いです。したがって、それが原因で買主に生じた損害は売主が負担をすることになります。
また、仲介業者の業務に明らかに問題があるのであれば、たとえば仲介手数料を減額せよと交渉をすることも可能でしょう。覚書の締結も本来は仲介業者が提案すべきことであり、ましてやご相談者様が提案したにもかかわらず動かないというのであれば、仲介業者として宅建業法上の義務違反になる可能性もございます。
まずは、仲介業者に改めて契約締結を急ぐように交渉したうえで、事態が進まないのであれば、宅建業者トラブルの窓口が各行政にありますので、そちらに相談されるのもよろしいかと存じます。
また、売主に金銭負担を求めていきたいのであれば、無料法律相談などで弁護士に対応を相談されてみてはいかがでしょうか。
ご相談への回答について
「不動産なんでもネット相談室」は、実際にお客様より相談いただいた内容に、東急リバブルが中立的な視点で回答した内容を記載しております。不動産に関してご不明点がありましたらご参考ください。