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アパートの一室を借り20年。民法163条に所有権以外の財産権、賃貸借権の取得時効というのがあることを知り、是非、取得したいと考えております。どうしたらよろしいのでしょうか?

Q.ご相談内容

アパートの一室を借り、20年経ちました。 民法163条に、所有権以外の財産権、賃貸借権の取得時効というのがあることを知り、是非、取得したいと考えております。どうしたらよろしいのでしょうか?

A.東急リバブルからの回答

『取得時効』が認められる要件は以下の通りです。
(1)「所有の意思をもって」
所有者と同様の排他的支配を事実上行おうとする意思をいいます(自主占有)。 これは、占有するに至った原因(権原)によって決まるとされ、 したがって賃借人や受寄者の占有には、所有の意思がないとされます(他主占有)。 所有の意思は、民法186条によって、推定されています。
(2)「平穏」
占有の取得及び保持について法律上許されない行為によらないことをいいます。 これも同法186条により推定されるので、あまり問題になることはないでしょう。
(3)「公然」
占有の取得及び保持について秘匿しないことをいう。これも、同法186条によって推定されています。 不動産については実際上問題になることは少ないでしょう。
(4)「他人の物」
自己の所有物でない物をいいます。自己の物の時効取得は無意味であるからだとされています。
(5)「善意」「無過失」
「善意」とは自己の不動産であると信ずることをいい、 「無過失」というのは、自己の不動産であると信じるについて過失のないことをいいます。 善意については、同法186条によって推定されますが、無過失は推定されません。 したがって、時効取得を主張する者は、これを立証しなければなりません。 過失があったかどうかは、争いになることが多いです。 善意・無過失は、占有開始時点においてのみ必要とされます。
(6)「時効期間」
占有開始時点において、善意・無過失であれば10年、そうでなければ20年です。 期間は、占有開始時点で起算します。時効制度を、永続した状態については証拠が散逸しているから、一定期間の経過を証拠に変えるという趣旨のものと見ると、占有開始時点がいつであるかを詮索し、その時点から起算することは、制度の趣旨に反することになります。 そこで、時効を援用する時点から逆算することを認めるという考え方がありますが、 判例は、時効期間は占有開始時点から起算すべきであり、勝手に起算点を選択したり、 逆算することはできないとしています。これらの要件をご確認の上、お話を進められることをお勧めいたします。

ご相談への回答について

「不動産なんでもネット相談室」は、実際にお客様より相談いただいた内容に、東急リバブルが中立的な視点で回答した内容を記載しております。不動産に関してご不明点がありましたらご参考ください。

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